ゼミナール発表

日時: 11月28日(金) 2限(11:00-12:30)


会場: L2

司会: 浮田 宗伯 助手
中井 伸郎 言語設計学 渡邉 勝正
発表題目:論文紹介 "Plastic Cell Architecture: A Dynamically Reconfigurable Hardware-basec Computer"(Springer LNCS 1586, pp.679-687, Apr.1999)
発表概要:近年柔らかいハードウェア−ソフトウェアのような柔軟性を備えたハードウェア−として再構成可能(Reconfigurable)ハードウェア が注目されている。再構成可能ハードウェアは多数のエレメントから構成されており、各エレメント間の接続情報とエレメントへの情報を書き換えることで再構 成を可能としている。エレメントはアーキテクチャによって粒度が異なり、それはANDやORなどの論理ゲートからプロセッサにまで及んでいる。前者を粒度 が細かい、後者を粒度が荒いと呼んでいる。
 今回の発表では粒度が細かい再構成可能ハードウェアであるPlastic Cell Architectureの論文を紹介する。また自分の今後の方針についても述べる。
 
中里 祐介 視覚情報メディア 横矢 直和
発表題目:ウェアラブル拡張現実感のためのCGモデルデータベース
発表概要: 近年、CGで描かれた仮想物体を現実環境に重畳表示する拡張現実感を ウェアラブルコンピュータ上で実現し、 ユーザの位置や姿勢に応じた情報を直感的に提示することで、 道案内や観光案内を行うシステムの研究が行われている。 しかし、従来のシステムの多くは提示情報をユーザの装着する計算機に 予め保持する必要があるため、 場所、時刻に応じた最新の情報を得ることは困難である。 また、ウェアラブルコンピュータは小型である反面、処理能力が低い場合が多く、 実時間で表示できるCGモデルの精密さは計算機によって異なる。 そこで本研究では、 ユーザの持つウェアラブルコンピュータの処理能力、位置、時刻に応じて、 精密さの異なるCGモデルをネットワーク上のサーバで再構成し、 無線ネットワークを介してウェアラブルコンピュータに送信するシステムを提案する。 本発表では、システムの概要及び今後の研究方針について述べる。
 
根津 猛 ロボティクス 小笠原 司
発表題目:親和性向上を目指したマルチモーダルインタラクション
発表概要:近年、インタラクション志向のロボットが増加してきた、それにともない、より自然なインタラクションが求められるようになってきた。これを実現するのには高いコミュニケーション機能と親和性の高いインタラクションが挙げられる。それらの解決策としてマルチモーダルインタラクションと人に好まれる行動パターン生成について解説をする。
 
乗友 太郎 情報コミュニケーション 山本 平一
発表題目:OFDMダイバーシチ受信機における空間合成・最大比合成組合せによる特性改善効果
発表概要:
地上デジタル放送では,その伝送方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式が用いられている.しかしながらOFDMはマルチパス環境における振幅・位相変動に弱く,その特性を改善するためにダイバーシチが必要となる.
従来のOFDMダイバーシチ技術として,最大比合成ダイバーシチと空間合成ダイバーシチが提案されている.前者は特性改善効果は大きいが回路規模も大きくなり,後者は回路規模は小さいが特性改善効果も小さい,といった特徴をもつ.
空間合成と最大比合成を組合せて,回路規模を抑えつつ多ブランチにより特性改善効果を上げるダイバーシチ受信機を提案する.
計算機シミュレーションを行ない,同回路規模の従来方式よりも特性が3.5dB程度改善することを示す.
 
日浦 和彦 ロボティクス 小笠原 司
発表題目:ヒューマノイドロボットによる環境認識とタスク遂行
発表概要:ヒューマノイドロボットは人間と似た容姿から,人間との共生が容易であり,また人間の行うタスクを比較的容易に模倣できるという利点がある.本研究ではヒューマノイドロボットHRP-2を用いて環境の認識を行い,あらかじめ設定されたタスクを行うことを第一の目的とし,その実現に向けて関連研究と考えられる問題点およびその解決法を提示する.人間と似た容姿のヒューマノイドロボットが,人間と同じタスクを行うことにより,そのタスクが人間にとってどれだけ遂行しやすいか,定量的な測定ができることも期待される.
 
細川 雄史 システム制御・管理 西谷 紘一
発表題目:二足歩行ロボットの踏み換え動作における安定性
発表概要:ヒューマノイドロボットは人間が暮らす社会にそのまま適用でき,福祉や災害救助の分野でも注目されている.しかし人間とロボットが同じ空間で作業するには障害が多く,環境から受ける急な外力に対してバランスを保持できる姿勢安定性が重要である.人間が急な外力を受けたときに安定性を確保する行動の一つとして踏み換え動作がある.そこで本研究では二足歩行ロボットが踏み換え動作によって安定性を確保できるような制御則の構築を目標とし,今回は足首トルクによる姿勢制御則と遊脚着地角制御を紹介し,今後の予定を述べる.
 

会場: L3

司会: 安室 喜弘 助手
手嶋 牧子 情報基礎学 関 浩之
発表題目:論文紹介"The Steganographic File System"(Information Hiding'98 pp.77-82)
発表概要:近年、個人情報や企業機密の保護の観点から、セキュアなストレージへの関心が高まっている。とりわけ、秘密情報の存在さえも秘匿可能なステガノグラフィ技術のファイルシステムへの応用は、高い安全性を実現するという意味で幅広く注目されている。本発表ではその理論的基礎となる論文"The Steganographic File System"について紹介するとともに、今後の研究課題についても簡単に述べる。
 
中里 昌人 コンピュータ設計学 藤原 秀雄
発表題目:論文紹介 "Binary Time-Frame Expansion" (ICCAD, pp.458-464, 2002)
発表概要:順序回路のテスト生成では,順序回路の問題を組み合わせ回路の問題に帰着する 時間フレーム展開法を使用し,状態初期化を実行している. 従来の時間フレーム展開法では,高々,最大展開フレーム数回の状態初期化 を必要とした.本発表では,時間フレームを2進展開し,高々,最大展開フレーム数の 対数回の状態初期化を実行する事で,従来の時間フレーム展開法より高速な状態初期化が 実行できる2進時間フレーム展開法を紹介する.
 
中村 真也 インターネット工学 山口 英
発表題目:ホストの位置モニタリングシステムとその利用
発表概要:最近、企業等で内部からの情報漏洩防止に対する意識が高まっている。なぜならば、内部からの情報漏洩は、企業の財務損失として多大な影響を及ぼすからである。したがって、情報漏洩を防止するため、ホストに関する情報を記録するシステムを構築し、ホストごとに異なるセキュリティレベルの適応を考える。
 
中村 寛 知能情報処理学 木戸出 正繼
発表題目:ユーザプロファイルを用いた対話シナリオの更新
発表概要: 既存の対話処理の研究において、獲得した個人情報を会話に利用するという研究は様々な形で行われている。また、VoiceXMLに代表される対話処理は状態遷移モデルによって対話を管理しており、事前に決められたシナリオ上を推移することになる。本研究ではあらかじめ設定された状態遷移シナリオを、ユーザプロファイルを用いてユーザに適応したシナリオに変更する機構の構築を目指す。
 
西川 求 インターネット工学 山口 英
発表題目:<異なるセキュリティポリシーを持つ環境におけるRole-Based Access Controlの導入手法の提案">
発表概要:<組織における情報管理システムの重要性が高まっている。組織における情報へのアクセス制御機構としてRole-based Access Controlのポリシーに基づいたシステムが提案されているが、標準化されたポリシーがないことやシステム管理者の設定コストが大きいことなどの問題により広く普及していない。本発表ではそれらの問題を解決する一手法としてSecureUMLを用いたポリシーの統一手法を紹介する。
 
西川 勇作 知能情報処理学 木戸出 正繼
発表題目:自律移動ロボットのナビゲーションの高速化
発表概要:近年、ロボットが人間と同じ生活環境での共生を目的に自律移動ロボットの研究が多方面で行われている。本研究は、自律移動ロボットのナビゲーション技術に焦点を 当て、ナビゲーションの高速化の実現を目的とする。今回の発表では、その高速化においての問題点を述べ、、今後の研究の方向性を説明する。