ゼミナール発表

日時: 11月14日(金) 2限(11:00-12:30)


会場: L2

司会: 大竹 哲史 助手
大林 正明 ロボティクス 小笠原 司
発表題目:歩行における足底面初期滑り計測
発表概要:歩行に関する技術において、ロボットの斬新な機構、歩行理論の研究が多く報告され、医療の分野でも歩行に関する工学的支援が必要とされる。従来の歩行解析手法を用いた滑りに関する研究では足底触覚を用いた滑りへの影響は考慮されていない。よって、本研究では歩行における足底触覚に着目し、足底面の初期滑りを計測する手法を提案する。
 
岡崎 篤也 言語設計学 渡邉 勝正
発表題目:16bit CISC CPU: H8/300H IP Core の開発
発表概要:近年の電子回路システムはSystem LSIやSoC (System on Chip)というように、ユーザの要求に応じた機能をOne Chipで構成するようになってきた。我々はその中心的な部品となる組み込み向けマイクロコントローラ内部の16bit CISC CPUのIP(Intellectual Property)化を試み、実装した。
また、今後の研究方針についても発表する。
 
岡本 圭司 ソフトウェア工学 松本 健一
発表題目:論文紹介 "Watermarking, Tamper-Proofing, and Obfuscation - Tools for Software Protection" (IEEE Trans. on Software Eng. Vol.28, No.8, pp735-746)
発表概要:この論文では、ソフトウェアに含まれる知的財産に対する3つの攻撃の種類と、またそれに対応する3つの防御技術の種類を定義する。リバースエンジニアリングに対抗する技術は難読化である。これは、ソフトウェアを機能を維持したまま難解にする。ソフトウェア著作権侵害に対する防御はウォーターマークである。これは、ソフトウェアの出所を決定することを可能にする。ソフトウェアの不正な変更に対する防御はタンパー証明である。これは、ソフトウェアの無許可の修正(ウォーターマークを削除するなど)を防ぐ技術である。そして、簡潔に各タイプの防御で利用可能な技術を調査する。
 
越智 健治 視覚情報メディア 横矢 直和
発表題目:論文紹介 "Image Analogies" (ACM SIGGRAPH 2001 p.327-340)
発表概要:「example-based rendering」とは、ある画像の特徴を計算機に学習させ、そして別に入力した画像に対して、その特徴を付加した新たな画像を出力する表現方法であり、画像の自動修理などに応用が可能であるとされている。本論文においては、この「example-based rendering」に基づいた「Image Analogies」という新たな画像処理の手法を提案する。この手法は、「ぼかし」や「テクスチャ合成」、「超解像画像」などの表現が作り出すものであるが、一通りのアルゴリズムで構成されるという点が従来手法には見られない重要な特徴である。本発表では、その処理手順を紹介するとともに、本手法が非常に汎用生の高いフィルタになりうることを、出力画像を例にして示す。
 
有馬 諭 応用システム科学 杉本 謙二
発表題目:論文紹介 ``Cost Analysis of Optical Networks with Dynamic Setup and Release of λ-channel''
発表概要:本論文では,光ネットワークにおける閾値を用いたλ-channelの 動的な設定/解放手法のコストに対して検討を行っている.コストとして設定/解放 にかかるコストと管理コストの二種類が考えられている.λ-channelの動的な 設定/解放手法を連続時間マルコフ連鎖を用いて解析し,単位時間あたりの 平均コストを導出している.数値例においてコストと閾値の関係を定量的に示す.
 
池田 智宏 応用システム科学 杉本 謙二
発表題目:論文紹介"車両間通信を用いた車両群の合流制御アルゴリズム"
発表概要:本論文は,高速道路においてランプから本線に流入する車両群が本線上の車両群に合流するときの制御アルゴリズムについて考察している.ここで提案する合流制御アルゴリズムは,他車線上の車両を自車線上に投影した仮想車両に対する車間距離制御に基づいており,車両間通信で送受した情報を用いて仮想車両を生成している.
 

会場: L3

司会: 中村 匡秀 助手
大塚 敏晴 インターネット工学 山口 英
発表題目: 論文紹介 "Integrating Security, Mobility, and Multi-homing in a HIP Way"
発表概要:現在、インターネットでは主としてTCP/IPプロトコル群が用いられている。しかしTCP/IPは、今後訪れるであろうモバイル社会においては機能的に不十分であり、機能の拡張が求められている。本発表ではネットワーク層とトランスポート層の間に新たな層を設け、セキュリティを特に考慮するHIPと呼ばれるアーキテクチャを紹介し、今後の研究方針を示す。
 
大塚 久尚 像情報処理学 千原 國宏
発表題目:論文紹介 "Tracking of humans in action: a 3-D model-based approach" (ARPA Image Understanding Workshop, pp. 737-746, Palm Springs, U.S.A., 1996. )
発表概要:二次元の人物動画像より人物の三次元姿勢推定を行なう。本発表では当該論文を通じて三次元モデルを用いた人物姿勢推定手法について説明し, またこの手法の応用として研究の指針を示す。
 
大橋 靖明 音情報処理学 鹿野 清宏
発表題目:独立成分分析と適応ビームフォーマを併用した高速音源分離手法の提案
発表概要:本研究では,ユーザに優しいマンマシンインターフェースの実現を目標に,独立成分分析 (ICA)と適応ビームフォーマ(ABF)を併用した高速音源分離手法に基づくハンズフリー音声処理システムを 提案する.ハンズフリーシステムでは,妨害音の影響により,高精度な音声認識を行うことが困難である .そこで本研究では,複数の音源信号が混合された観測信号のみから音源信号を推定するICAに着目する .ICA は無音区間等の事前情報を必要としない教師無しの適応手法であるが,適応に必要な反復学習にお ける最適解への収束が遅いという問題がある.これに対して,音声には無音区間が存在するため,リアル タイム適応が可能なABFを構成できると考えられる.よって無音区間を検出し,ICAとABFを切替える事で 高速な音源分離を目指す.
 
大原 遼 言語科学 鹿野 清宏
発表題目:自然対話DBを使用した合成音声器の作成と今後の方針
発表概要:表現のある自然な合成音声を作成したい。しかし自然な音声には発話者の感情や意図などさまざまな情報が含まれている。 今、CRESTには500時間にも及ぶDBがある。今どのような意図があるか、どのようなパラメーターが隠されているのか たくさんの人が分析している。その大規模なDBを使って、夏に簡単な合成器を作成した。その発表と問題点を述べ、 これからの方針を発表する。
 
大元 靖理 音情報処理学 鹿野 清宏
発表題目:声質変換のための基本周波数パターン特性調査
発表概要:入力された音声を異なる特徴を持つ音声として出力する技術を声質変換と言い、これは主に音声の話者性変換を目的としている。現在はスペクトルと基本周波数の変換が主な処理だが、話者の持つ韻律的特徴は変換されていない。韻律的特徴も変換するためには基本周波数の時間変化(基本周波数パターン)と発話時間の変換が必要だが、今回は前段階として言語情報を使わない基本周波数パターンの変換の可能性を検討するため、その高周波成分と出力音声の品質の関係を調査した。発表ではその結果と今後の展望を報告する。
 
岡田 行央 インターネット工学 山口 英
発表題目:論文紹介:"The EigenTrust Algorithm for Reputation Management in P2P Networks"Sepandar D. Kamvar, Mario T. Schlosser, and Hector Garcia-Molina InProc. 12th International World Wide Web Conference (WWW2003), May 2003
発表概要:本論文はP2P環境で取引を行う際に取引相手を評価する必要があるが、その評価をEigenTrust Algorithmによって行っている。本発表では本論文を通し今後の研究方針について述べる。