ゼミナール発表

日時: 11月7日(金) 2限(11:00-12:30)


会場: L2

司会: 村田 佳洋 助手
関 裕治朗 システム制御・管理 西谷 紘一
発表題目:<題目>ドライビングシミュレータによる運転手の運転行動解析
発表概要:<概要>交通事故の発生件数は、近年益々増加傾向にあり、交通事故対策は急務である。交通事故の発生要因として、運転手の認知・判断エラーが指摘されているが、実際に実車を用いて交通事故解析を行うことは難しい。そこで本発表では、ドライビングシミュレータを用いて実車との実験結果を比較した論文を紹介し、併せて、今後の研究方針を述べる。
 
穴吹 篤志 視覚情報メディア 横矢 直和
発表題目:論文紹介 "Preemptive RANSAC for Live Structure and Motion Estimation" (ICCV 2003 pp.199-206)
発表概要:本論文では、透視投影カメラのための頑健な実時間でカメラの動きを推定するシステムを提案する。本システムは、動きの仮説のpreemptive scoringによる無作為な標本の一致を用いている。まず、効率的なpreemptive scoringの問題の概略を述べる。次に、簡単なinlier-outlierモデルに基づいてpreemptive scoringの理論的な検討を行う。最後に、実用的なpreemption手法を提案し、preemptionが頑健な実時間で構造と動きの推定を実現するのに十分強力であることを示す。
 
石井 健一 ソフトウェア工学 松本 健一
発表題目:論文紹介"Feature Interactions in Web Services"(FIW '03 pp.149-156)
発表概要:近年,インターネットをベースとする分散コンポーネント環境実現のために,XML Webサービスが注目を集めている.しかし,複数のXML Webサービスの統合は,XML Webサービス間において,サービス品質やユーザの満足に悪影響を与える望ましくない相互作用を生じる可能性がある.そこで,本論文では,XML Webサービスの統合により発生する問題が機能競合であることを主張し,XML Webサービスの機能競合のタイプを分類する.
 
石川 智也 視覚情報メディア 横矢 直和
発表題目:論文紹介 "What Does the Scene Look Like from a Scene Point?"(ECCV 2002 pp.883-897)
発表概要:あるシーンにおいて、幾つかの視点から得た画像から別の視点で得られる画像を合成する技術はNew-View-Synthesis(NVS)と呼ばれる。過去に提案されたNVSアルゴリズムでは、対応点の重み付けや3次元形状復元が必要であった。本論文では、それらを必要とせず、少ない数の画像からでもNVSが可能な手法を提案している。この手法は仮想的な視点からの視線(line of sight:LOS)を設定し、そのLOSを入力画像それぞれにおいて色の列として取得する。そして、それら色の列において仮想的な視点から最も近く、どの列でも一致している色がその視点から見えている色とする。
 
奥田 開洋 情報コミュニケーション 山本 平一
発表題目:MC-CDMA下りリンクにおけるPAPR抑制法に関する研究
発表概要:次世代高速無線通信方式として注目を集めているMC-CDMA(Multi Carrier-Code Division Multiple Access)は,OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)とCDMA(Code Division Multiple Access)が融合した技術である.MC-CDMAは高い周波数利用効率と周波数選択性フェージングへの対性を兼ね備えているが,一方でPAPR(Peak to Average Power Ratio)が高く,波形を歪み無く伝送するには線形領域の広い増幅器が必要である.線形領域の広い増幅器は省電力化,低価格化,小型化が難しく,実用化の妨げとなっている.本研究ではPAPRの抑制を目的とし,本発表ではそれに関する基礎的な検討結果と今後の研究計画について述べる.
 
鬼丸 敬輔 情報科学センター 砂原 秀樹
発表題目:論文紹介 "The Google File System" (ACM SOSP '03)
発表概要:米 Google 社は、世界最大級の Web 検索エンジンである Google(http://www.google.com/) を支えるバックグラウンドのファイルシステムとして Google File System (GFS) を開発した。これは、安価だが日常的に故障する汎用機器をクラスタとして用いた大規模ストレージを管理するための分散ファイルシステムである。その設計思想と構造について記された論文 "The Google File System" を紹介する。
 

会場: L3

司会: 新田 直也 助手
東 藍 自然言語処理学 松本 裕治
発表題目:統計的言語処理と文法理論の融合を目指して
発表概要:自然言語をより深く解釈し処理するシステムを確立する上で 文法理論を背景とした言語処理は必須である. しかし一方で,文法理論に基づいた言語処理は曖昧性と頑健性という 2つの大きな問題を抱える. 本発表では,統計的係り受け情報を利用し,単一化の失敗を救済することによって 曖昧性の解消と頑健性の向上を図る手法を提案し, そのシステムの概要と今後の研究計画を述べる.
 
阿部 哲 知能情報処理学 木戸出 正繼
発表題目:複雑な問題におけるタスク分割と協調問題
発表概要: 近年,ロボットと環境の相互作用を通して学習をする学習器が多く研究されてい る.代表的な手法として,強化学習,ニューラルネット,遺伝的アルゴリズムな どがある.しかし複雑な環境,複数のタスクを扱う場合,既存手法では学習器が 複雑膨大になり,また学習時間の増大などの問題があり,学習の限界がある. 本発表では,問題を簡単なスキルで扱える所まで分割し,スキルの組合せ 方と出力の仕方をニューラルネットとGAを用いて学習する手法についての研究方針 を述べる.
 
天田 崇 像情報処理学 千原 國宏
発表題目:論文紹介 "Practical Animation of Liquids"(ACM SIGGRAPH 2001 pp.23-30)
発表概要: コンピュータグラフィクスにおいて写実的な画像の生成は重要なテーマである。 その中で水の描画を行う方法について多くの研究がなされてきているが、 計算時間の問題から、実時間で物理法則に基づいた水の挙動の表現と 写実的な水の描画の両方を実現することは難しい。 本発表では実時間ではない液体のアニメーション生成方法について説明し、 今後の研究方針について述べる。
 
飯村 卓司 インターネット工学 山口 英
発表題目: 大規模ネットワークゲームに適したPeer to Peerミドルウェアに関する研究
発表概要: 多人数参加型ネットワークゲームで扱われるデータの大きさは小さいが要求数は多く、 リアルタイム性実現には高速な要求処理が必要である。 サーバ・クライアントモデルではサーバでの一元管理により高速処理を実現しているが、 サーバがサービスを停止するとサービスが利用できなくなる問題がある。 そこで、Peer to Peerモデルを用い、サーバ機能を参加ノードで分散処理し、サーバの介在無しに動作する構造を考える。 既存のPeer to Peerモデルではデータの更新及び転送において、更新情報伝達の手続きが多くリアルタイム性に乏しい。 そこで、更新差分を動的にデータ利用ノードに送信し、 更新情報伝達の手続きを減らすことでリアルタイム性を実現したPeer to Peerモデルを提案する。 また、その実装としてのミドルウェアを設計し、サンプルゲームによって評価を行う。
 
石井 克典 像情報処理学 千原 國宏
発表題目:生体高分子測定のためのUV/FEL-MALDI-TOF質量分析システムの開発と検討
発表概要:近年、プロテオーム解析における対象の多様化により、蛋白質・細胞膜(脂質2重層)などの生体高分子の中で、従来法では分析不可能・困難なものが現れている。本研究は、これらを対象とし、UVレーザーの電子励起とIRレーザーの振動励起という2つの長所を生かした新規イオン化法を導入した、UVレーザーと自由電子レーザー(FEL)の空間的・時間的同時照射によるUV/FEL-MALDI-TOF-MSシステムの開発により、分析の高感度化、分析可能な質量上限の拡大、多種多様な対象への対応を目指すものである。また、本システムで得られた実験結果の一部からUV/FEL-MALDI法の諸特性について考察する。また、今後の研究方針について概説する。