インターネット時代のセキュリティ管理

テーマ: インターネット時代のセキュリティ管理
担当者: 奈良先端科学技術大学院大学教授 山口 英

慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科 教授 村井 純
学期 : 2002年度第III期および第IV期

※第一回目 9月26日(木)1限、第二回目 10月3日 (木)両日L3講義室
時間 : 毎週木曜日一限 (13回)
単位数: 2

講義室: 第III期L3 (L1、L2 は他の科目で使用予定)

第 IV期L1 (L2、L3 は他の科目で使用予定)

◎2単位の講義ですが、すでに先端情報科学特論 IIを履修したものは、先端情報科学特論 IV (1単位)のみ履修したことになります。


講義内容

2001年9月11日に起きた国際テロ事件と、それに対する諸国家の対応は、 我々の 生活に大きな影響を与えている。 それにより幸福の追求が阻害されている人々 も多い。 世界が部族的に分断され、紛争の影響がグローバル化することは、 情 報が国境や文化を超えて高速に伝達されることの帰結であり、 我々にはその責 任の一端がある。

この授業では、 インターネットに代表される情報通信技術が広く活用でき、 市 民の生活がより豊かになる可能性があるとともに、 上のような問題が同時に発 生しているような時代において、 セキュリティをどのように捉え、維持してい くのか、 学生同士が議論することで、 自ら考え、行動を起こしていくための契 機を提供する。

情報セキュリティにおいては、守るべき価値は次の 3種類に分類される。 すな わち情報の秘密が守られていること (confidentiality)、 情報が改竄されてい ないこと (integrity)、 そして情報が必要な時に提供されること (availability) である。 それぞれを守る代表的な技術として暗号、証明、そし て自律分散協調の技術がある。

今年度の本授業では、これらの技術を核として、 その社会へのインパクトと問 題、 その解決に向けての(法)制度の在り方をテーマとし、 議論を通して、我々 が今後進むべき道を模索する。

授業はシラバスに沿った内容を原則とし、 その時々にあった話題を随時取り入 れる。 また本授業は SOI環境 (http://www.soi.wide.ad.jp/) を用いた授業で ある。

なお、本授業は慶応義塾大学で担当する授業と遠隔合同で行ない、 随時、各話 題の専門家をゲストスピーカーとして招く予定である。

成績は、課題および授業への貢献度によって採点する。

2. 授業計画

第1回「授業概要」
・毎回の授業の形式と、全13回の流れを説明する。
・昨年の授業を振り返り、今年度のテーマを説明する。
第2,3,4回「暗号と犯罪」
・暗号の技術
・犯罪捜査とプライヴァシー
・個人情報の保護と法
第5,6,7回「電脳空間における信用」
・署名と認証の技術
・信用の形成
・公開鍵と社会
第8,9,10回「安全とその保障」
・自律分散協調の技術
・国家と安全
・望むべき社会の達成とその持続に向けて
第11,12回「グループワーク」
・テーマ討論
第13回「まとめ」
・グループワーク発表
・結びの言葉


参考書

SOIの授業ページで適宜紹介する。


前提とする知識

「情報ネットワーク論I」
上記の科目が履修済みである必要はないが、 その内容を理解していることを前提に議論が進む場合があるため、 過去の授業を SOI で受講しておくことが奨励される。
また、2001年度の本授業についても、SOI で閲覧しておくことが望ましい。


情報学研究科 教務WG
Last Update:2002/09/24