ソフトウェアシステムは，コンピュータシステムの変化に伴い，単独のプログラムによる逐次プロセスの形態から，複数のプログラムによる並行プロセス形態へ，さらには, 分散環境で移動する形態へと重みが変わりつ<つある。 　そのようなソフトウェアの計算モデルを考えて，実際のプログラミングの基本機構について述べる。具体的には，プロセス間，スレッド間，および，オブジェクト間の通信の機構と，プログラムが移動する機構を取り上げる。 　ソフトウェアを設計・製作するにあたって，最も基本となるツールはプログラミング言語である。それを支援する言語処理の問題と，オペレーティングシステムの役割を考察する。 　　１. 言語の役割とプログラミングパラダイムの関連 　　２. プロセス間通信の計算モデル（π計算モデルなど） 　　３. プロセス間通信のプログラミング 　　４. 移動するプログラムの基礎

教科書として一冊にまとまったものはない。

１. Robin Milner : Communicating and Mobile System : 　　the π-Calculus,Cambridge,1999 ２. Elliotte Rusty Harold (ユニテックス訳) : 　　Java ネットワークプログラミング, オライリージャパン, 1997. (DA100||49) 　 (第2版もある) ３. W. Richard Stevens : Interprocess communications : 　　 Unix Network Programming, Volume-2, Prentice Hall, 1999. (言語設計学) 　　(翻訳書 Vol.1, Vol.2 もある) ４. アンドルー・S タネンバウム, アルバート・S ウッドハル : 　　オペレーティングシステム - 設計と理論およびMINIXによる実装, 　　ピアソンエデュケーション, 1998.(言語設計学)

(必ずしも 先修条件ではない) 基礎として，システムプログラム概論，計算機構造概論。 関連科目として，計算理論 I ，ソフトウェア工学 I。 C,C++あるいはJavaのプログラムを読めることが望ましい。

成績評価は，試験（50％）,３つのレポート（30％），及び授業の出席（20％）による。