ハードウェア設計論 II
Hardware Design II


講義内容

 コンピュータのように社会に広く浸透しているシステムの信頼性の問題は非常に重要である。正しく動作しないコンピュータの存在は,単にサービスの停止,中断にとどまらず、社会的にも大きな影響を与えることになる。信頼性が高く,故障に耐える(フォールトトレラント)コンピュータはどのように設計されるか,大規模化,高集積化するVLSIコンピュータに故障が存在するか否かをどのように調べるか(テスト,診断),またそのようなテストを可能とするようなコンピュータをどのように設計するか,等々について講述する。

具体的には,以下の内容を講義する。
1. 論理回路の故障モデルと故障診断
2. ブール微分
3. テスト生成アルゴリズム
4. 故障シミュレーション
5. テスト問題の計算複雑度
6. テスト容易化設計
  スキャン設計
  組込み自己テスト方式
7. フォールトトレラントシステムの設計思想
8. セルフチェッキング論理回路
9. 誤りマスクとフェイルセイフ技術
10. システムの再構成と回復技術

教科書

当麻,南谷,藤原:フォールトトレラントシステムの構成と設計,
槙書店,1991

参考書

1. 藤原:コンピュータ設計概論, 工学図書,1998
2. 藤原:コンピュータの設計とテスト,工学図書,1990
3. H.Fujiwara: Logic Testing and Design for Testability, MIT Press, 1985
4. P.K.Lala: Fault Tolerant and Fault Testable Hardware Design, Prentice-Hall, 1985
5. M.Abramovici, et al.: Digital Systems Testing and Testable Design,IEEE Press, 1990
6. M.L.Bushnell, et al.: Essentials of Electronic Testing,Kluwer Academic,2000
7. S.Mourad,et al.:Principles of Testing Electronic Systems,John Wiley & Sons,Inc.,2000

前提とする知識

(必ずしも先修条件ではない)

論理設計基礎,計算機アーキテクチャ基礎(計算機構造概論)
論理設計,設計検証(ハードウェア設計論I)

成績評価方法及び基準

出席状況、演習、レポート、および試験とで総合評価を行う。




情報学研究科 教務WG
Last Update:2002/08/14