ゼミナール発表

日時: 11月15日(金) 2限


会場: L1

進行係: 中西 正樹 助手
0251035 久保 雅洋 情報基礎学 関 浩之
発表題目:<印刷文書に対する電子署名>
発表概要:印刷物の複製、偽造、改竄等の不正は長年にわたって社会的な問題となっている。署名、すかし、マイクロ文字印刷等の一般的に用いられる物理的な不正防止技術では、文書の改竄の検出が困難な場合がある。そこで近年、電子署名を応用することで従来の技術では困難な、内容の改竄の有無を検出することを可能とするシステムが提案されている。本発表では、電子署名の応用形態と印刷文書の改竄に対して有効な文書認証システムを紹介し、今後の研究方針について述べる。
0251036 栗本 昌和 応用システム科学 杉本 謙二
発表題目:論文紹介"A Practical Technique to Support Controlled Quality Assurance in Video Streaming across the Internet"
発表概要:広帯域ネットワークでのビデオストリーミングはインターネットにおいて最も重要なアプリケーションの 一つである。本論文ではベストエフォートネットワークでのビデオストリーミングの品質保証に焦点をあて、"staggered two-flow video streaming"と 名づけた実装方法を提案している。この方法は、ビデオの優先構造を利用し2つに分割したフローをセントラルサーバ とプロキシサーバをつなぐVPNを通して転送する。さらに、これらのフローを転送するために新たに拡張したTCPとUDPを提案している。 FreeBSDを使用した実験及びNS2でのシミュレーションにおいて提案方法での有効性を示している。
0251038 公森 義貴 応用システム科学 杉本 謙二
発表題目:論文紹介 "Practical Considerations for Smoothing Multimedia Traffic Transported over Packet-Switched Networks"
発表概要:本論文はパケットスイッチネットワークを通してのビデオ配信に欠かせない平滑化手法について先ず既存の平滑化アルゴリズムの問題点を指摘し、それらの解決策を提示している。次に、平滑化アルゴリズムが新たに考慮すべき点についても述べ、その影響とそれに対する解決策を示している。
0251037 公原 勝彦 ソフトウェア基礎学 伊藤 実
発表題目:論文紹介 Mercury:A Scalable Publish-Subscribe System for Internet Games
発表概要:多くのネットワークゲームではクライアントサーバモデルが採用されている。このモデルでは管理しやすいなどのメリットもあるが、サーバにかかる負荷がボトルネックになっている。これに対し分散モデルを用いることでサーバにかかる負荷を分散する方法が考えられる。発表ではpublish/subscribe型の通信で負荷を分散している論文を紹介するとともに今後の研究の方針を発表する。
0251043 阪本 浩一 音情報処理学 鹿野 清宏
発表題目:<マイクロホンアレーと環境適応モデルによるハンズフリー音声認識>
発表概要: 機器の制御などを音声入力により行う場合、通常はマイクロホンを用いる。その際、話者はマイクロホンの傍にいなければならないため、ユーザにとって非常に煩わしい。そのため、より人にやさしいマン・マシンインターフェースとしてハンズフリー音声認識が考えられる。しかし、実環境において自由な発話を認識するために、環境雑音や残響に対して考慮しなければならない。現在では複数マイクロホンによる雑音を抑圧する手法が研究されているが、実環境下でさらに認識率の向上を図るには、認識システムの音響モデルについても雑音と残響を考慮する必要がある。本発表では、雑音や残響のある環境を考慮したマイクロホンアレーと音響モデルによるハンズフリー音声認識について述べる。

会場: L2

進行係: 高田喜朗 助手
0251029 川口  徹 情報コミュニケーション 山本 平一
発表題目:室内における無線MIMOシステムを用いた伝送速度の改善
発表概要:無線MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)通信システムは複数の送受信アンテナを用いて同一周波数で複数の信号を並列伝送することによって周波数利用効率を大幅に高める方式である。しかし、伝搬路の状況によっては信号分離が困難となり、その結果、周波数利用効率の改善効果が制限されるという問題がある。特に室内におけるMIMO伝搬路モデルは十分解明されているとは言えず、MIMOによる周波数利用効率の改善効果は明らかではない。これに対し、Jon W. Wallaceらは、室内伝搬路モデリングを行ない、特定の条件下でのMIMOの周波数利用効率の改善効果について明らかにしている。本発表では、上記の室内伝搬路モデリングについて紹介し、問題点および今後の研究計画について述べる。
0251040 小林 朋幸 自然言語処理学 松本 裕治
発表題目:注釈グラフによる言語データの管理
発表概要:近年、自然言語文書に品詞情報などを人工的に付加した言語資源(コーパス)の集積が進んでいる。これらのコーパスは、それぞれ独自の形式で記述されるため、統一的に扱うことができず、処理プログラムも個別に書かねばならない。このようなコーパスを統一的に扱うためのフレームワークとして注釈グラフが提案されている。そこで本研究では、注釈グラフを使用したコーパスの記述、管理、分析、加工の可能性について考える。本発表では、注釈グラフの基本的構造と今まで指摘されている問題点をのべる。
0251041 小林 のぞみ 自然言語処理学 松本 裕治
発表題目:事態の評価に関する知識の獲得
発表概要: ある文が望ましいことを述べているのか,望ましくないことを述べているのか という観点からの言語理解を行ないたい.そのケーススタディとして,評判検 索を考える. 評判検索とは,大量のテキストデータの中から、ある製品についての好評・不 評に関する記述を検索する技術である. この評判検索においては,評価を表す表現が重要な手がかりとなるが,評価表 現は,人によってさまざまであり、かつ,ドメインに大きく依存しているため 人手で書き尽くすことは困難である. そこで,評価表現の半自動収集に関する研究を行なっている. 本発表では,現在までの獲得実験の結果,および今後の方針について報告する.
0251048 下條 敏男 インターネット工学 山口 英
発表題目:論文紹介 Priority Control Mechanism managed by Metadata
発表概要:情報を構造化するメタデータを利用して情報のポリシーを記述し、優先度制御などに利用する方式を提案する。この方式によって、非常時通信における緊急情報にはその緊急性が記述でき、Diffserv技術を利用することにより情報の優先的な転送が可能となる。このような内容の論文を紹介する。
0251050 鈴木 未央 インターネット工学 山口 英
発表題目:論文紹介 "Freenet: A Distributed Anonymous Information Storage and Retrieval System"
発表概要:近年、インターネットでのサービスモデルとして従来のサーバクライアントモデルではなく、サーバとクライアントの区別がないP2Pモデルが話題となっている。本発表では匿名性を重視したP2PネットワークであるFreenetに関する論文を紹介する。

会場: L3

進行係: 知念 賢一 助手
0251028 亀井 仁志 情報科学センター 砂原 秀樹
発表題目:容量可変ネットワークファイルシステムの提案と実装
発表概要:現在、家庭環境やSOHO環境のネットワーク化が一段と進んでおり、家 庭内にあるPCの数が数台となっている。また、ある程度の大きさのネットワーク を有する企業も増えてきた。ネットワークを使う主な理由は情報の共有や、リソー スの共有にある。例えば、数台あるPCの内一つをディスクサーバにし、ファイル を保存したいという要求がある。今回提案する容量可変ネットワークファイルシ ステムはファイルサーバへ情報(データ、および文書など)が局所化し、オーバー フローを防ぐための手段として提案するシステムである。
0251042 近藤 誠宏 ロボティクス 小笠原 司
発表題目:汎用型ロボットハンドを用いた物体の器用な操りに関する研究
発表概要:汎用型ロボットハンドとは人間の手に近い構造を持った多指型ロボットハンドのことで、様々なタスクを一台のハンドで遂行できることや、人間の作業環境をそのまま使えること、また教示を用いれば入力が簡単になるというメリットを持つ。研究目標としては高速駆動・高精度センシングを要求されるタスクの実現とし、人間には困難なタスクに対してロボットの高速な演算や正確な動作を用いて実現を目指す。本発表では汎用型ハンドの開発における技術課題である(1)ハンドの設計(2)教示システムの開発(3)ロバストな把持と器用な操りの実現について説明し、今後の方針について述べる。
0251049 白榮 健司 ロボティクス 小笠原 司
発表題目:ヒューマノイドロボットにおける歩隔制御による横揺れ軽減手法
発表概要:現在ヒューマノイドの2足歩行に関する研究は進んでいる。しかし、その制御は倒れない制御に重点が置かれている。そのため上半身の動きは横揺れの大きい歩容になっている。しかし、作業を行なう上では上体の横揺れは欠点である。本研究では、人間が行なっている歩行中の下股の動きに注目し、この上体の横揺れを軽減することを目的とする。そこで、特に「歩隔」を減少させることで、上半身の横揺れを軽減する事を考える。今回はその「歩隔減少手法」と今後の方針について述べる。
0251004 浅井 俊弘 視覚情報メディア 横矢 直和
発表題目:論文紹介 The Use of Dense Stereo Range Data in Augmented Reality
発表概要:本論文はリアルタイムでの高密度ステレオビジョンシステムを組み込んだ拡張現実感システムについて述べる。距離と輝度の解析データが2つの機能を実行するために使われる 1)自然な3次元ポインティングジェスチャーを与えるユーザーの指先やペンの3次元の検出と追跡 2)標準マーカーのキャリブレーション法や手動の初期化が必要ない3次元位置とユーザーの視点と方向の計算。本論文はステレオデプスカメラ、ポインタ追跡とカメラ追跡のアルゴリズムについて述べ、実践する。
0251044 佐官 雄介 像情報処理学 千原 國宏
発表題目:Schkolne S et al,:"Surface Drawing: Creating Organic 3D Shapes with the Hand and Tangible Tools" Proceedings of CHI 2001
発表概要:"Surface Drawing"は3DCGを作成するための新しい手法である。この手法を用いることで、現実世界で線画・水彩画・油絵を描く際に筆を重ねていくように、仮想空間でモデリングが自由に行なえる。モデルの表示は、ユーザがシャッターグラスを装着することで立体視のできるテーブル状のディスプレイを用いる。その環境において、ユーザはデータグローブを装着した手を用いて曲面を描く。また、描いたモデルを修正・操作するために、実在する道具をイメージしたデバイスをインターフェースとして用いる。本発表ではそのシステムについて説明した後に今後の研究の方針について述べる。
0251051 鈴木 基紹 情報コミュニケーション 山本 平一
発表題目:地上波ディジタル放送における地上波アナログ放送が与える干渉の除去
発表概要:日本では2003年にサービスが開始される地上波ディジタルテレビ放送は既存のアナログテレビ放送と同一の周波数帯域を用いてそのサービスが行なわれるため、アナログーディジタル放送相互間の干渉が大きな問題となる。従来、ディジタルテレビ放送がアナログ信号から受ける干渉を軽減する方法としてはOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)のサブチャネル信号の信頼性を推定し、この情報を元に軟判定誤り訂正を行う手法が検討されているが十分ではない。一方、アナログテレビ放送波形は、非常に似通った波形を繰り返し送信するという特徴を有しており、この性質を利用することでアナログ放送波がディジタル放送に与える影響を除去できる可能性がある。そこで本研究ではこのような特徴を用いた干渉除去を行う方法を提案する。