ゼミナール発表

日時: 10月8日(火)、3限 (13:30-15:00)


L1:小笠原研、進行係:上田淳

0151005 池田聖 横矢直和、小笠原司、山澤一誠
0 発表題目:<題目> 全方位型マルチカメラシステムのキャリブレーション
発表概要:<概要> 近年, 三次元モデル化やテレプレゼンスなどの様に,現実環境の映像を用いて写実性の高い仮想世界を構築する研究が盛んである.この様な研究では,画像の取得効率や解像度の高い全方位型のマルチカメラシステムが便利である.本研究では,全方位型のマルチカメラシステムに対して大規模な設備なしにカメラ間の幾何学的及び光学的なキャリブレーションを行なう手法を提案する.本手法では,まず格子模様を印刷した板の奥行きを変えて複数回撮影し,そのマーカボードの三次元位置を三次元位置計測器により計測することで,十分な数のマーカを空間上に仮想的に配置し,幾何学的なキャリブレーションを行なう.次に,明度低下現象やカメラ間の色調について考慮し,光学的なキャリブレーションを行なう.実験では実際に6枚の入力画像から全天球画像を作成することで,キャリブレーション結果の確認を行った.
0151040 久保聡之 山口英、小笠原司、門林雄基
発表題目:SCTPの単一点障害を回避する冗長経路活用手法の実装と評価
発表概要:近年,格安ブロードバンドとモバイル通信の普及により,マルチホーム環境が増加している. それにより,安定なスループット及び通信障害への信頼性を向上することが可能となる. このマルチホーム環境に対応したトランスポートプロトコルとして SCTP(Stream Control Transmission Protocol)がある. SCTPは,通信中にネットワークが不安定になっても 代替経路へ切り替えることでスループット及び信頼性を向上するために標準化された. しかし,現在のSCTPでは,冗長経路が活用されず単一点障害が生じ, マルチホーム環境の利点を十分に活かすことができていない. 本研究では,SCTPの単一点障害を回避する冗長経路の確立手法を提案し, 実装及び評価を行う.
0151066 鶴身玲典 鹿野清宏、小笠原司、猿渡洋
発表題目:単語N-gramとネットワーク文法を併用した音声認識アルゴリズムの検討
発表概要:大語彙連続音声認識エンジンJuliusは単語N-gramモデルを用いており,タスク外の発話も柔軟に認識できるが,限られたタスクにおける高精度の認識には不向きである.一方で,Julianはネットワーク文法を用いており,あらかじめ想定される入力に対しては高精度で認識できるが,想定されない入力は認識できない.そこで,Juliusを改良し,単語N-gramとネットワーク文法を併用することにより,あらかじめ予測される発話だけでなく,予測されない発話に対しても高精度の音声認識を行う頑健な認識アルゴリズムを提案する.

L2:松本健一研、進行係:中村匡秀

0151044 斎藤裕昭 小笠原司、松本健一、松本吉央
発表題目:レーザレンジファインダを用いたセンサデータ列の記憶に基づくナビゲーショ ン
発表概要:本研究では移動ロボットの経路表現として、レーザレンジファインダによって得られた局所的なセンサデータの列を記憶する手法を提案する。自律移動時には、現在のセンサ入力情報と教示走行によって記憶したデータ列との間でマッチングをとることによって、ロボットが経路上での自己位置を精度良く認識し、ナビゲーションを行なう。また、教示走行の自動化についても言及し、より簡便なシステムを提案する。
0151078 中村岳志 関浩之、松本健一、楫勇一
発表題目:XML文書に対するアクセシビリティ・ガイドラインの自動検証
発表概要: 近年,webにおけるアクセシビリティ(身体能力や利用環境などの差異に関 わらず,より多くの人がweb上の情報を利用できるようにすること)の重要 性が広く認識されつつある. アクセシビリティの高いwebコンテンツを作成するための要件を述べた書籍 は多数存在し,また,標準化団体等によってまとめられた「アクセシビリ ティ・ガイドライン」もいくつか存在する. また,特定のガイドラインに対し,作成したwebコンテンツがそれを満たす か否かを検証するツールが存在する. webのための代表的なガイドラインとして,World Wide Web Consortium (W3C) の正式な推奨ガイドラインに認定されているWeb Content Accessibility Guidelines (WCAG) がある.また,HTML文書がWCAGに適合し ているか検証するためのツールとしてBobbyがよく知られている. 本研究の目的は,Bobby等と同じく,作成した文書がガイドラインに適合し ているか調べるための自動検証ツールを作成することである. ただし,本研究では,対象とするガイドラインをWCAGに限らず,適切なガイ ドライン記述言語を定義して,任意のガイドラインを入力できるようにする. これにより,検証ツールの汎用性が高くなり,また検証内容が明示的になる と考えられる. 一方,検証対象である文書も,HTML文書に限らず任意のXML文書とする. 本発表では,研究の方針ならびにガイドライン記述言語の設計について述べ る.また,検証ツールの実装方法についても述べる.
0151093 星一平 西谷紘一、松本健一、山下裕
発表題目:多種生理信号併用型論理思考状態推定におけるロバスト性の考察
発表概要:人間の思考状態を推定することができれば、 プラント運転などの人間の論理思考を必要とする作業を 効果的に支援することが可能となる。 本研究では、多種類の生理信号を併用して人間の思考状態を推定する方法を検討した。 生理信号として、心電、呼吸活動、眼球運動を用い、 複数の被験者に対して、数実験日に渡って思考状態推定実験を行った結果、 多種の生理信号を併用することで安定して高い精度で思考状態を推定できることが確認できた。
0151106 村瀬真生 西谷紘一、松本健一、山下裕
発表題目:<題目>ヒューマンファクターを考慮した化学プラントのリスクアセスメント
発表概要:<概要> 近年、多層の安全対策が施されているにも関わらず、化学プラントの事故が相次いでいる。このような事故を起こさないため、フォールトツリーやイベントツリーを利用した定量的なリスクアセスメントが注目されてきている。 現在のリスクアセスメントでは、装置などのシステムを中心に解析が行われている。 しかしながら、化学プラントにおいては重要な局面では人間の介在が不可欠である。 そこで本研究では、これまで行われてきたリスクアセスメントに、人間のオペレータの要素を組み込みことを目的とする。 従来手法であるイベントツリー手法に、オペレータというヒューマンファクターを加える際の、イベント選択方法や階層構造を用いたイベントツリー表現の検討を行う。

L3:渡邉研、進行係:神原誠之

0151025 岡久浩章 松本健一、渡邉勝正、飯田元
発表題目:オンラインシステムに対する異種アーキテクチャ部品組み込み法の検討
発表概要:近年、再利用が簡単に行えるソフトウェア部品としてコンポーネントウェアの規格が開発され、幅広く利用されている。 しかし、これらのコンポーネントは基本的にオブジェクト指向に基づいて設計されており、オブジェクト指向アーキテクチャを持たないシステムでは容易に利用できない構造となっている。 一方、メインフレームを用いる業務処理システム等の開発においては、既存のソフトウェア部品や開発手法などを継承する必要があるため、抜本的な変更を行うことが困難である。 このため、従来アーキテクチャによる業務処理システムの開発において、コンポーネントを利用することは必ずしも容易ではなかった。 そこで本研究は、非コンポーネント指向のオンラインソフトウェアアーキテクチャと開発法に対し、 極力アーキテクチャに変更を加えることなくコンポーネントを組み込んで利用するための機構の実装と、その機構に基づいた系統的設計手法の提案の2点について、検討を行っている。 今回の発表では、その検討内容について述べる。
0151036 神崎雄一郎 松本健一、渡邉勝正、飯田元
発表題目:命令コードの実行時置き換えによるプログラムの解析防止
発表概要:近年,他人の開発したソフトウェアを解析してアイデアや方式を 盗用するなどの不正行為が深刻な問題となっており, ソフトウェアを解析行為から保護する技術が求められている. ここでは,プログラムの解析を困難にする手法として, 実行時に自分自身の命令コードを書き換える操作をともなう方式を提案し, その方式を任意のソフトウェアに実装するためのシステムについて述べる.
提案するシステムを用いると, たとえば実行前は足し算するように見せかけて 実行時には引き算を行う,というような不正行為者の混乱を引き起こす動作をする プログラムに変換できるため, 解析にかかるコストを著しく上昇させることができると期待できる.
0151050 佐藤弘紹 松本健一、渡邉勝正、飯田元
発表題目:データ演算の符号化によるソースコードの難読化
発表概要:近年,リバースエンジニアリングなどの行為により,ソフトウェアに含まれる秘密情報や重要なアルゴリズムが安易に盗用・改変されるという問題がある.これらを防止するために,ソースコードやクラスファイルを難読化するという手法がある.本研究では,ソースコード中に存在するデータ演算を符号化する手法を提案する.具体的には,データを人間とって理解し難い状態に符号化して演算を行い,データを参照する際に演算結果を復号化するというものである.難読化はあくまで読み難くするだけで解読不可能になるわけではないが,それでも解析にかかる手間を増やすことで不正行為の頻度を減らす効果は期待できる.本発表では,この提案手法と今後の方針について述べる.
0151129 NEUPANE BHOOSHAN RAJ 松本裕治、渡邉勝正、乾健太郎
発表題目:日本語教育支援システム「おさる」における文字・語彙分類
発表概要:日本語教育支援システム「おさる」の特徴の一つとして学習者に合った問題を自動生成することがあげられる。「学習者に合った問題」とは学習者のレベルや興味、バックグラウンドを考慮して作成された問題のことであり、その作成には、日本語の文字・語彙を難易度別・分野別に分類する必要がある。そこで、本研究では、「おさる」における文字・語彙分類のための分類手法を提案し、難易度別・分野別の分類を行った。