ゼミナール発表

日時: 10月4日(金)、2限 (11:00-12:30)


L1:横矢研、進行係:神原誠之

0051030 木村篤信 千原國宏、横矢直和、眞鍋佳嗣
発表題目:動作コミュニケーション支援システム
発表概要:VRを用いたコミュニケーションとしては,アバタやテレイグジス タンスなどの研究がある.しかしこれらの手法は,伝達される動作を客観的に 見ることによってのみコミュニケーションが成り立っている.そこで本研究では, 伝達される動作を主観的に見ることによって行なわれる,VRならではのコミュ ニケーションシステムを提案する.本システムによりユーザは互いの動作を主 観的に観察し,インタラクションすることが可能になる.
0151003 安部高明 千原國宏、横矢直和、眞鍋佳嗣
発表題目:オパールの構造に基づく階層化モデルを用いた遊色現象の再現
発表概要:本論文では、オパールの遊色現象に注目し、物理モデルを用いてこの現象を再現することを目的とする。再現のためのモデルとして、ミクロレベルでの結晶構造による光の回折・干渉と、それらの結晶の集まりによるマクロレベルでの光の伝搬の両方を考える階層化モデルを提案する。
0151006 石川悠 千原國宏、横矢直和、眞鍋佳嗣
発表題目:光源推定可能な立体マーカを用いたMR空間の構築
発表概要:実空間にCGで生成した仮想物体を合成するMixed Reality空間 において,幾何学的・光学的・時間的整合性を保つことは、ユーザに 視覚的な違和感を感じさせないために重要である。 しかし、実際にMR空間を構築するには、センサのキャリブレーションや, 実空間の計測・モデリングなどの繁雑な準備が必要とされ,しばしばMR技術 の汎用性を妨げる要因になっている。 本研究では、緻密にキャリブレーションされた計測機器や,あらかじめ 幾何学的な計測やモデリングの施された環境を必要としない手法によって、 その場で仮想物体を配置したりMR 空間として概観することのできるシ ステムの構築を目指す。
0151009 伊藤仁志 石井信、横矢直和、柴田智広
発表題目:<題目>次元選択方法と一文字認識器の構成について
発表概要:<概要> 近年、文字認識は我々の生活になくてはならない技術となり、 様々なものに使われている。しかし、文字認識器の性能向上 に対するニーズは日々高まっており、多くの研究がなされている。 本研究では、一文字認識器を修正二次判別関数を用いて構成し、 さらなる性能向上のため、次元削減を行う。最後に、 一文字認識器における次元選択方法の有効性を示し、 今後、次元選択手法を一文字認識器に、どのように使用するか を考える。

L2:関研、進行係:新田直也

0151017 江田毅晴 植村俊亮、関浩之、松本裕治、吉川正俊
発表題目:XML木のための更新に強い節点ラベル付け手法
発表概要: 順序木の節点に, 前置順と後置順の順序を保存した対からなるラベルを 与えると, 任意の節点間の先祖子孫関係を, ラベルの比較だけで判定することができる (これを範囲ラベル付け手法という). この手法をXML木に適用することによって, 正則経路式を含むXML問合せの処理 を高速化することが可能となる. 今日, 大量かつ大容量のXMLデータが流通しており, これらのXMLデータを効率良く更新しながら管理したい という要求が高まっている. 更新の起きるXMLデータに範囲ラベル付け手法を適用するには, ラベルを付け直す必要がある. 本研究は, このラベルの付け直しに焦点を当てた. 大規模なラベルの付け直しを避けながら, 構造結合による高速なXML問合せ処理を実現できる手法を提案する.
0151051 澤井裕子 山口英、関浩之、門林雄基
発表題目:IPオプショントレースバックの数学モデルによる検証とその考察
発表概要: サービス妨害攻撃の対策技術の一つであるIPオプショントレースバックは, 各AS(Autonomous System)上で生成確率に従って追跡用パケットを生成し, 攻撃元を特定する手法である. しかし,先行研究はパケットの生成確率を全てのASにおいて一律に固定 しており,生成確率がこの手法の性能に与える影響を明示していない. そこで,本研究ではこの手法について数学モデルを用いた検証を行い, 性能指標となる攻撃経路の検出時間とトラヒック増加率のトレードオフを 明確にした. その結果,生成確率の値によっては大幅に検出時間を短縮でき, 確率的事象に基づく検出成功率の値によっては生成確率を低く抑えることが できた.さらに,先行研究で定義されている検出時間30分,トラヒック増加率 0.1%という条件下において妥当な生成確率の値を導出した. 本発表では,数学モデルの導出過程や検証結果および考察について述べ, 今後の研究方針を示す.
0151039 儀間哲仁 山本平一、関浩之、岡田実
発表題目:マルチパスフェージング環境におけるマルチキャリアCDMA方式の拡散符号に関する検討
発表概要:第4世代移動体通信のアクセス方式としてマルチキャリアCDMA(MC-CDMA)方式が検討されている。MC-CDMAはマルチパス環境でガードインターバルを設けることで遅延波の影響を避け、符号間干渉を抑えることができるという利点を持つ。しかし、複数のサブキャリアを足し合わせるため、高いピーク電力対平均電力比(PAPR)が生じ、非線形増幅器のよる歪みの影響を受け、特性が劣化する。 MC-CDMA方式におけるPAPRは拡散符号によってことなることが知られているが、マルチパスフェージング環境下での検討は少ない。そこで本検討では、MC-CDMA方式における拡散符号の検討をマルチパスフェージング環境下で行なったことを報告し、さらに今後の研究について述べる。

L3:杉本研、進行係:佐藤淳

0051064 出口将人 小笠原司、杉本謙二、松本吉央
発表題目:<路面の傾斜に適応した4足歩行ロボットによるトロット歩行>
発表概要:4足歩行ロボットが居住空間、災害地で活躍するには不整地において
相応の速度で移動する必要がある。そこで、本研究は数種の歩行パターンの中で
安定で移動速度も比較的速いトロット歩行に着目する。トロット歩行は対角2脚が
同位相で動作するのでモデル化が容易、更に胴体の振動も少なく実機での実現が
容易になる。トロット歩行をスライド式反動車モデルという2次元モデルまで縮退
させ、不整地で安定にトロット歩行を実現するための必要条件を求める。簡単な
シミュレーションの結果から、地面と支持脚との滑べりに関する条件を示す。
またこのモデルが傾斜のある路面やで凸凹路面でも拡張性があることを述べる。
0151010 澤村良樹 西谷紘一、杉本謙二、山下裕
発表題目:観測ノイズを考慮に入れた遠隔制御における遅延の補償方式
発表概要:一般にディジタル通信では、伝送経路においてパケットが欠落して情報が失われることがある。また伝送遅延が一定ではなく、伝送時間に最大遅延時間の保証がない。遅延問題に対応する方法として、遅延をモデル化誤差として吸収するロバスト制御が考えられる。しかしロバスト制御で設計されるコントローラは最悪な遅延に対し設計されるので保守的となる。保守的になることを改善するための手法としてゲインスケジュールによる制御が考えられるが、一定しない遅延時間すべてをカバーできるわけではない。この遅延問題に対し、ごく簡単な移動平均型フィルタによって遅れを補償するという手法が提案されている。この手法は多段型ディジタル再設計に基づいており、非常に簡単に用いることができるのに加え、パケット損失に関してもある程度適用可能である。しかしこの手法は観測ノイズに弱いということが欠点として挙げられている。そこで本研究では多段型ディジタル再設計法において、観測ノイズに対応するために代表的なロバスト制御手法であるH∞制御の考え方を用いて、移動平均型フィルタの係数を決定する。
0151033 鎌田圭 西谷紘一、杉本謙二、山下裕
発表題目:<題目>同次性を用いた大域的姿勢制御における角速度オブザーバの設計
発表概要:<概要> 人工衛星は、付属されているアンテナを用いた通信回線で地上からの命令による姿勢変更、衛星からの情報信号の送信、地上局間の距離、相対速度の測定を行っている。これらの動作の支障となるのが、受信レベルの落ち込みや多重波干渉による通信回線の品質の劣化である。また、人工衛星内には太陽電池・バッテリー・電子回路・バルブ等多数の制御素子が存在して磁場・電磁場に影響を与える。これらの原因により、通信回線の品質は信頼できるものではない。よって、本研究では通信回線で情報が正しく送信されない際に角速度を推定し、その場合の人工衛星の大角度姿勢制御を目的とする。この研究に関してS.Salcdeanが剛体の回転に関する角速度オブザーバを設計している。しかし、それは局所的なオブザーバでしかない。そこで大域的なオブザーバを同次性を用いて設計することを目的とする。
0151037 喜種奈美 西谷紘一、杉本謙二、山下裕
発表題目:High indexを持つ非線形DAE系に対する入出力線形化とオブザーバ
発表概要: 一般にダイナミカルシステムは微分代数方程式によって表される。 通常は代数方程式を解いて状態方程式を得るが、 非線形系の場合は代数方程式を解くことが困難な場合が多い。 そこで代数方程式を解くことなく取り組む手法が提案されてきた。 ここではhigh indexを持つ非線形DAE系に対して、 微分変数だけでなく代数変数も含むフィードバック則を考える。 そのためには, すべての状態変数を推定するオブザーバが必要である。 本発表では、DAE、ODE、indexの定義を説明した後、 代数拘束式を微分することによって high index DAEを冗長なexplicit ODEに変形するアルゴリズムを示す。 得られた式をもとに厳密な入出力線形化制御則を設計し、 さらにすべての状態変数を同時に推定する大域的に安定なオブザーバを設計する。 最後に、今後の方針について述べる。

P1+P2:木戸出研、進行係:上野敦志

0151046 坂田宗之 千原國宏、木戸出正継、眞鍋佳嗣
発表題目:ネットワーク制御可能なIRタグを用いた複数ユーザの判別及び位置同定システム
発表概要:ユーザの現在位置を特定する事は、ナビゲーションシステム等を実現する際に必要な技術である。本研究では、建物内において、ログイン等のユーザの意図的な動作を必要とせず、システムが自動的にユーザの判別及びユーザ位置を追跡を行うシステムの構築を目指している。手法として、無線ネットワーク環境下で、広角レンズ付きのカメラとネットワークで制御可能な赤外線タグとの組合せを用い、安定かつ比較的高精度なユーザ識別及びユーザ追跡を実現する。
0151055 鈴木征一郎 小笠原司、木戸出正継、松本吉央
発表題目:拡張現実感提示を用いた車いすのナビゲーションシステム
発表概要:
本研究では車いすの搭乗者がHMDを装着し,そこに目的地までナビゲーション
するための情報(矢印など)をAR(拡張現実感)技術を用いてオーバーレイ
表示することで搭乗者をガイドするシステムを提案する.
現実環境と仮想世界を融合する際には,ユーザの視点の位置・姿勢をいかに
正確に計測するかが重要である.本稿で提案する手法では,車いすに搭載した
顔・視線検出システムを用いて計測される.また,ユーザの位置は,天井の画像
を用いた車いすの自己位置推定システムを用いて計測される.
0151060 竹村伸太郎 千原國宏、木戸出正継、眞鍋佳嗣
発表題目:<題目> 異方性反射特性の測定と可視化手法の提案
発表概要:<概要> CGにおいて、素材の光沢や異方性といった質感を 忠実に表現するためには、物体面の表面反射特性を 正確に再現する必要がある。従来これらの特性は手動 で設定されるケースが多く、出力される映像は現実感 に欠けていた。 そこで本稿では、4軸の回転自由度を持つ計測器を用い、 実物体から画像処理によって反射特性を抽出し、可視化 する方法を提案する。