ゼミナール発表

日時: 10月3日(木)、2限 (11:00-12:30)


L1:千原研、進行係:安室喜弘

0051026 川野親二 横矢直和、千原國宏、山澤一誠
発表題目:モーションデータの合成による人物動作アニメーションの対話的作成
発表概要:現在,人物動作アニメーションは映画,CMなどで幅広く使われている.一 般 に人物動作アニメーションは,モーションキャプチャー技術や,異なるキーフ レームを複数用意して間を補間するキーフレームアニメーションを用いて作ら れている.このためアニメーションの作成には時間的なコストや熟練した高度 な技術が要求される.そこで,より簡単に人物動作アニメーションを作成でき るシステムが提案されている.本稿ではユーザにキーフレームを作成させることな く,計算機 上に構築された仮想空間上でユーザがキャラクタに対話的にモーションデータ を選択して指示を与えることにより,人物動作アニメーションを生成する手法 を提案する.
0151027 奥村文洋 横矢直和、千原國宏、山澤一誠
発表題目: 多重スケール環境マップを用いた粗さの異なる材質を 表現可能な実時間レンダリング手法
発表概要: 従来、環境マッピング手法では表面の粗さが非一様な材質の場合、実時間での レンダリングは困難であった。そこで本研究では、表面の粗さが非一様な材質 を実時間で表現可能な環境マッピング手法を提案する。まず、環境マップに対 してあらかじめフォンモデルベースのフィルタ処理を行い、複数の粗さに応じ た環境マップをボクセルデータ(多重スケール環境マップ)として作成する。 そして、レンダリング時にボクセルデータを3Dテクスチャとして利用し、材質 の粗さに応じたテクスチャ座標を用いることで実時間でのレンダリング可能と する。実験では粗さの異なる材質上での写りこみのレンダリング結果について 検証する。
0151065 恒成裕行 小笠原司、千原國宏、松本吉央
発表題目:複数のセンサを用いた搭乗型ガイドロボットのナビゲーション
発表概要:今年11月にオープンする生駒市北コミュニティセンターにガイドロボットを常設するプロジェクトが進んでいる. ガイドロボットを常設するために, ロボットはナビゲーション機能を有している必要があるが, 同センター内には面積の広いホールや, 天井の高さが変化するなど, 本研究室における既存技術のみでは自己位置推定が困難となる条件を有している. そのため本発表では複数のセンサ情報を融合した自己位置推定法について述べる. また天井の高さ変化に対応した, 天井情報を用いた自己位置推定法について, その提案手法を紹介する.

L2:山口研、進行係:飯田勝吉

0151126 Khoo Hui Tiong Jonathan 砂原秀樹、山口英、藤川和利
発表題目:Global IPv6 Mobility with LIN6
発表概要:LIN6 provides IPv6 mobility in the network layer. However, it can only maintain mobility with another computer installed with a LIN6-enabled kernel. The first part of this presentation discusses how global IPv6 mobility can be achieved with other IPv6 or MIPv6 nodes. The second portion dwells on implementation issues and progress.
0151120 行縄直人 石井信、小笠原直毅、金谷重彦
発表題目:遺伝子発現プロファイルの統計的解析による情報を持つ遺伝子群の選択法に関する研究
発表概要:発表概要:近年の cDNA マイクロアレイ等によるゲノムワイドな遺伝子発現量解析技術の発展により, 生物の機能を各々の遺伝子の発現量という定量的な側面から解釈することが可能になってきている. これにより,具体的には,従来,形態学的な情報に頼っていた癌の診断等を,遺伝子発現量の観点から行なうなど, 医療面の応用も期待できる. だが,これを実現するには,発現量測定技術によって得られたデータ,すなわち,遺伝子発現プロファイル に対する新たな解析手法の開発も必要となる.本研究では,乳癌の遺伝子発現プロファイルおよび, 組織サンプルの診断結果から,組織サンプルの表現型の違いを,もっとも良く表現する遺伝子群の発見 を行なうための,クラスタリングと識別器を用いた,遺伝子群の選択法を提案する.発表では,詳しい解析方法, 実際の解析結果および,問題点等について述べる予定である.

L3:湊研、進行係:菅幹生

0151004 五十嵐康伸 石井信、湊小太郎、柴田智広
発表題目:電気生理からみた大脳皮質培養神経回路の成長<題目>
発表概要:電極アレイ基盤を用いた研究によって、培養神経回路の性質が明らかになってきている。例えば、ラット胎児から抽出した大脳皮質神経細胞を培養すると、自発的に同期したバースト発火が観測される。
本研究では、電極アレイ基盤上での培養神経解路網を模倣する成長ネットワークモデルを提案する。このモデルを用いて神経細胞一つの自励発火と、神経細胞同士の相互作用から起こる同期現象が細胞体内カルシウムイオン濃度に大きく依存していることを示す。また神経回路全体での同期率と、神経細胞間の伝達効率の絶対値には相関が小さいことを示す。
0151047 櫻井弘明 杉本謙二、湊小太郎、笠原正治
発表題目:ゲーム理論を用いたインターネットサービス市場のモデル化と解析
発表概要:本研究ではゲーム理論によるインターネットサービス市場のモデル化と均衡解析を行う. 過去にGibbensらはゲーム理論を用いてISPの競争市場をモデル化し,複数サービスクラス導入の 是非を検証したが,そこではユーザが必ずISPと契約しなければならないという強い制約があった. そこで本研究では,Gibbensのモデルの拡張として,ユーザopt-outの許可および価格とリソースの 依存関係の導入を行う.均衡解析の結果,ISPはopt-outが存在しなくなるような価格を設定すること, およびリソースの増加率が多いほど輻輳の影響が減少し,価格競争の影響がふえて結果として低価格化, それに伴う利益減少が生じることが判明した.
0151057 高橋倫久 小笠原司、湊小太郎、松本吉央
発表題目:fMRI内で使用可能な光学式6軸力センサの開発
発表概要: 脳科学の分野ではfMRIなどを用いて脳内の局在活性部位を同定し、脳の働きを解明する脳機能研究が行われている。 この中で、ヒトが力制御を行った際の脳機能を調べるためには力の測定が不可欠であるが、 従来の力センサは金属や電子素子を含んでおり、強磁場を利用するfMRI内ではその画像を乱すため使用できない。 そこで本研究では、センシング部に非磁性体のみを用いた光学式の力センサを開発・改良し、高精度な6軸力センサへの応用を行う。
0151102 満上育久 木戸出正繼、湊小太郎、河野恭之
発表題目:視線情報を利用した対象の位置推定
発表概要:人間・機械のインタラクションにおいて、 機械系が人間の注意・意図・判断を正しく認識することが要求される。 本研究では、そのための手段として人間の視線情報に注目し、 視線入力インタフェースのための注視点の空間位置計測を目標とする。 この際に問題となるのは、視線検出装置のキャリブレーションにおける誤差や 人間の注視能力の限界による誤差などが挙げられ、これらの誤差をいかに 軽減できるかが問題となる。 特に後者については、誤差自体の軽減は不可能で、この問題を複数視点の 視線情報をConDensationライクなアプローチを採用することで解決を図る。

P1+P2:砂原研、進行係:中村豊

0151008 伊藤俊彦 松本裕治、旭敏之、砂原秀樹、乾健太郎
発表題目:モバイル検索システム
発表概要: モバイル用の世界標準のコンテンツ記述言語として、 HDMLというマークアップ言語がある。 HDMLに対応した理想的なモバイル検索システムは、 既存のデスクトップ用のコンピュータの検索システムとは、 様々な相違がある。 このHDMLに対応したモバイル検索システムの一手法の、提案及び開発を行なった。 この検索システムの概要、並びに開発されたシステムの評価について述べる。
0151002 阿南英文 山口英、砂原秀樹、門林雄基
発表題目:統一的なファイアウォールの設定確認支援システムの構築
発表概要:近年,中小規模以上のネットワークでは,Firewallはネットワークの境界の他に,ポリシーの異なる部署ごとにも用いられている.このように複数のFirewallを用いる場合,管理運営コストがかかるなどの問題が発生する.特にFirewallの設定の確認はその目的上必ず必要である.これまで複数のFirewallの設定確認の研究としてネットワークのトポロジー情報と設定ファイルからシミュレーションを行うものなどがある.しかし,シミュレーションでは実際に意図している設定が反映されているのかわからない.本研究では実環境で複数のFirewallに対し,ポリシー通りにフィルタリングがされているのか確認するための統一的な設定確認支援システムの構築を目指す.
0151018 衛藤将史 山口英、砂原秀樹、村井純、門林雄基
発表題目:自律システム相互接続点における経路制御運用の自動化の為の技術要素の提案
発表概要:自律システム相互接続点における経路制御運用の支援技術としてRPSLと呼ばれる言語が開発されている。IRR(Internet Routing Registry)と呼ばれるサーバはこのRPSLで記述された経路制御ポリシを管理するためのものであるが実運用においてはほとんど利用されていないのが現状である。その原因の一つとして各AS(Autonomous System)の管理者が他のASとのポリシの整合性を検査することなく、それぞれ独自のポリシを登録していることが挙げられる。ポリシ間に生じた不整合は管理者の予期せぬ経路制御を招くことになる。本研究ではこのポリシ間の不整合を検出し管理者に対して警告を発するシステムを提案し、そのアルゴリズムの提案を行う。
0151019 江藤誠彦 横矢直和、砂原秀樹、山澤一誠
発表題目:<全方位ハイビジョンカメラによるネットワークを介したテレプレゼンス>
発表概要:<遠隔会議や監視システムなどにおいて、遠隔 地の風景を画像として提示するテレプレゼン スシステムの要求が高まっている。従来、全方 位視覚センサを用いて利用者の視線に追従し た透視投影画像を提示するシステムが提案さ れている。これらのシステムはネットワー クを介していなく、また解像度が低いという 問題がある。 本稿では、ハイビジョン型全方位 視覚センサHyperOmni Visionで得られた全方 位ハイビジョン画像をネットワークを介して 遠隔地に伝送して、利用者の視線方向の透視 投影画像を生成、提示する、解像度が高い 実時間テレプレゼンスシステムを提案する。 本システムは遠隔監視システム などに拡張することにより従来より信頼性の高いシステム が構築できるという特長がある。>