ゼミナール講演

日時平成 14年 10月 29日(火)3限(13:30 -- 15:00)
場所L3
講演者山下 茂
所属 NTT コミュニケ−ション科学基礎研究所, 科学技術振興事業団 今井量子計算機構プロジェクト
講演題目 新しい計算パラダイムの実現を目指して
概要
現在の計算機システムではその性能向上が近いうちに原理的に頭打ちになることが明らかとなってきている。 また、現在の計算機システムが全ての問題に関して最適な計算方式であるとは考えにくい。 そのため、全く違った計算パラダイムの可能性を追求する研究が数多く行われるようになってきている。 主なものとして、 (1)動的に再構成可能なハードウェアを用いた細粒度並列計算パラダイム (reconfigurable computing)、 (2)量子的な状態を操作することによる「量子的な」並列計算パラダイム (量子コンピューティング)、 (3)分子の生化学的な反応を利用した分子レベルのある種の並列計算パラダイム (分子コンピューティング)などに関する研究である。
本講演では、上記の(1)と(2)の計算パラダイムに関して、 その概説と講演者自身の関連研究について紹介する予定である。
具体的には、NTTにおいて開発された動的に再構成可能なPCA (Plastic Cell Architecture)と呼ばれるハードウェアやFPGA (Field Programmable Gate Array)と呼ばれるハードウェア、 および量子計算の基本的な概念を紹介した後で、 再構成可能なハードウェアに特化した論理設計手法、 Groverの量子アルゴリズムと呼ばれる手法の応用、 量子アルゴリズムの解析手法、 量子回路と呼ばれる回路モデル等に関して講演者が行ってきた研究を紹介する。
最後に、これらの分野において、 今後どのような研究をすべきであるかについての講演者自身の主観 (個人的な希望?)を述べ、皆様と議論させていただきたい。
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平成14年度ゼミナール担当