ソフトウェアシステム論II
Software Systems II
講義内容
最近のホットな研究分野の1つである並列/分散処理を対象として,そのベースとなる並列/分散オペレーティングシステム(OS)について学ぶ。
まず,前半の並列OSでは,構成法,プロセス管理,メモリ管理,同期機構,マイクロカーネル・アーキテクチャについて最近の研究動向を講述する。また,後半の分散OSでは,構成法,分散データベースにおけるトランザクション処理において,資源の共有,高速アクセス,高信頼性化について講述する。
1. 並列オペレ−ティングシステム概論
(構成法, モジュール化, 階層化, マイクロカーネル)
2. プロセス管理(プロセスモデル, カーネル/ユーザ・レベル・スレッド,
スケジューリング)
3. メモリ管理(コヒーレンス制御, 多重レベルメモリ管理)
4. プロセス間通信と同期機構
(排他制御, ロックアルゴリズム,バリア同期アルゴリズム)
5. マイクロカーネル・アーキテクチャ
6. 分散オペレーティングシステム概論
7. トランザクション管理 (並行性制御)
8. 重複データ管理
9. 高信頼性システム
10. 分散共有メモリ
教科書
福田晃(福田分):並列オペレーティングシステム,コロナ社,1997
参考書
1. 鈴木,清水,山内:共有記憶型並列システムの実際,コロナ社,1993
2. A.S.タネンバウム(水野,鈴木,宮西,佐藤訳:分散オペレーティング
システム,プレンティスホール,1996
3. 前川,所,清水編:分散オペレーテ ィ ングシステム,共立,1991
4. 滝沢: データベースシステム入門技術解説,ソフト・リサーチ・センター,
1991
前提とする知識(必ずしも先修条件ではない)
シングルプロセッサの計算機アーキテクチャとオペレーティング・システム
(計算機構造概論, システムプログラム概論)
並列処理の入門(情報通信概論, アルゴリズム概論),計算機構成論
成績評価方法及び基準
試験によって行う。