ソフトウェア基礎論
Foundations of Software Science
講義内容
ソフトウェアを設計する際に大切なことは,まず目的に応じて対象をモデル化し,
対象の性質を明らかにするための方法論をもつことである。理論的考察は方法論の確
立に重要である。このような観点に立った知識工学への理論的アプローチとして,本
講義前半では,データベース理論を取り上げ,重要な概念と方法論を紹介する。後半
では,神経回路網モデルの理論と情報処理への応用について解説する。
(1)データベース理論
データベースにおける質問言語に関する理論的な事柄を説明する。
1. 関係代数, 関係論理
2. 一階述語質問
3. 再帰質問
4. 否定を含む再帰質問
(2)神経回路網モデルの理論と応用
脳の計算理論に由来する神経回路網モデルに関し,その数理的定式化と情報処理へ
の応用について説明する。
1. 相互結合型モデル,物理モデル
2. 階層型モデル,関数近似
3. 自己組織化と統計モデル
4. 強化学習
教科書
特になし:講義ノートを配布
参考書
授業中に紹介する
前提とする知識(必ずしも先修条件ではない)
(1)について
アルゴリズムとデータ構造 ( アルゴリズム概論 )
形式言語理論,計算可能性 ( 計算理論I )
一階述語論理 ( 人工知能基礎論 )
(2)について
解析および線形代数の基礎知識があることが望ましい
成績評価方法及び基準
(1)試験により成績を評価する。
(2)レポートにより成績を評価する。