情報通信システム論
Communication Systems
講義内容
IT技術の基盤となる情報通信システムの主な機能と構成技術について学ぶ。内容は、情報通信ネットワーク基本構成、交換システム、伝送システム、無線通信システム、移動体通信システムなどの情報通信の全分野について論述する。
1.情報通信ネットワークの基本構成
1.1 情報通信ネットワークの基礎知識
1.2 マルチメディアとISDNネットワークの概要
2.交換システム
2.1 回線交換方式とパケット交換方式
交換ノードの歴史と交換方式の分類、特にISDN交換を支える回線交換と
パケット交換の基本原理とその特徴を説明する。
2.2 ISDN交換ノードのハードウェアとソフトウェア
ISDN交換ノードのインプリメンテーション技術として時間スイッチ、
空間スイッチ、信号処理等のハードウェア技術と、実時間制御、高信頼化に
力点を置いた各種ソフトウェア技術を紹介する。
2.3 公衆通信網とインターネットの比較
回線交換をベースの公衆通信網と、IPパケット交換をベースの
インターネットの違いと特徴に関して、ネットワーク参照モデル、
コネクション型/コネクションレス型サービス、通信品質、トラフィック
品質等の観点から比較する。
2.4 次世代ネットワーク、ノード技術
次世代情報通信ネットワークの新技術/サービス
(定額IPサービス、DSL、IP統合ネットワーク、VoIP、MPLS等)
について最近の話題を紹介する。
参考文献
1.島田禎晉監修、江川哲明編著: ネットワークノード方式、オーム社
2.秋山稔著: 情報交換システム, 丸善
3.伝送システム
3.1 伝送路網
アナログからデジタルへの伝送路網の歴史を説明する。
3.2 新同期網
新同期網SDH(STM)方式について説明する。特に重要なSTM-1と
そのフレーム構造および、SDHにおけるVC、ポインタ、セクション、
パス等の概念も説明する。
3.3 ネットワークオペレーション
情報通信網のネットワークオペレーションについて、過去の歴史と現在
の方法論を述べる。特にSNMP,CMIPプロトコルについて基本的考え方を
重点的に説明する。
3.4 ATMの機能とその構成
STMとの対比についてATMの技術を述べる。
STMの離散多重をさらに高効率とするためのATMの役割、
特にVPIによるバーチャルパスの長短所を論述する。
参考文献
3.島田禎晉監修: SDH伝送方式、オーム社
4.島田禎晉監修:ネットワーク・オペレーション、オーム社
5.W. Stalling : SNMP,SNMPv2, and CMIP, The Practical Guide to
Network-Management Standards, Addison Wesley 63331
4.無線通信システム
4.1 無線システムのシステム構成とその動向
4.2 無線システム構成技術
移動無線伝搬路、無線アクセス方式、ディジタル変復調方式、
フェージング対策技術について説明する。
4.3 固定無線通信システムの概要
4.4 衛星通信システムの概要
4.5 無線LANの概要
参考文献
6.宮内一洋:通信方式入門、コロナ社
7.山本平一、室谷正芳著:ディジタル無線通信、産業図書
8.斉藤著:デジタル無線通信の変復調、電子情報通信学会
9.山本平一編:衛星通信、丸善
5.移動通信システム
5.1 移動体通信システムの概要とその動向
5.2 DS-CDMA
5.3 広帯域DS-CDMA(W-CDMA)
参考文献
10.奥村善久、進士昌明監修:移動通信の基礎、電子情報通信学会
11.桑原守二監修:ディジタル移動通信、科学新聞社
12.丸林元、中川正雄、河野隆二著:スペクトル拡散通信とその応用、
電子情報通信学会
前提とする知識
特になし
成績評価方法及び基準
成績評価は試験によって行う。