ゼミナール発表

日時: 10/4(木)4限(15:10-16:40, ※L1は16:50まで時間延長)


L1: 千原研,進行係: 金谷一朗

0051043  佐藤夏子   湊小太郎,千原國宏,大城理
発表題目: PET検査中の頭の動き補正に用いる光学式トラッキング装置POLARISの性能評価
発表概要: PET検査中に頭が動くことが考えられる。それによって診断に用いる画像の質が劣化する。動きの補正として固定器具が用いられていることが多いが、完璧に 動きを止めることはできない。
本研究では、光学式トラッキング装置POLARISを用いてより発展した動き補正のシステムを構築することを目指し、POLARISの性能評価を行った。
0051061  垂谷一正   湊小太郎,千原國宏,大城理
発表題目:ノイズ除去機構を有するホスウィッチ技術を用いたβ線検出器の開発とそれを用いた血中RI濃度連続測定システムの構築
発表概要:近年ではPET(Positron Emission Tomography)画像を用いて、生体パラメータ画像(血流量、代謝率)を得ることができる。その際、正確な血中RI濃度が必要である。しかし、現在用いられている血中RI濃度連続測定システムは10年以上前に開発されたものでS/N比が十分とはいえない。したがって、さらに高精度な血中RI濃度連続測定システムを開発することでより精度の高い生体パラメータ画像を生成できると考える。本研究では2種類のシンチレータを組み合わせるホスウィッチ技術を用いることによって従来のβ線検出器よりもS/N比を向上させたβ線検出器を開発し、その開発したβ線検出器を用いた血中RI濃度連続測定システムを構築することを目的とする。本発表では開発したβ線検出器についての原理、性能評価など基礎的データについて述べる。
0051044  佐藤雄亮   湊小太郎,千原國宏,砂原秀樹
発表題目:診療情報提供システムにおける柔軟な閲覧権コントロール
発表概要:本研究では、地域の医療機関の間で行なわれる診療情報提供において従来の紙の紹介状による方法にかわる、ネットワーク経由の診療情報提供システムを構築を計画している。本システムでは機密性の高い患者情報の漏洩を防止し、患者のプライバシーを十分に保護するために、サーバ上のデータや通信路の暗号化が行なわれる。また、実用性の高いシステムとするために、患者情報に対するアクセス制御をアクセスチケットを用いて行なう。これによって、医療現場の現状に即した柔軟なシステムを構築可能である。
0051008  上岡隆宏   木戸出正繼,千原國宏,河野恭之
発表題目:ウェアラブルオブジェクト登録・検索システムの開発
発表概要:日常生活における身の回りのオブジェクト位置に関する記憶想起支援システムを提案し、開発を行う。システムでは、常にユーザ視点からの映像を記録するウェアラブル装置を利用して、登録したオブジェクトの最新映像を記録映像から検索・提示することによって、オブジェクト位置の記憶想起支援を行う。ウェアラブルカメラとして用いる複合撮像デバイスに関して、そのプロトタイプを用いた特性調査実験の結果を考察し、オブジェクト特徴抽出手法の提案を行う。
0051036  小枝正直   小笠原司,千原國宏
発表題目:無人ヘリコプタの没入型遠隔操縦システムの開発
発表概要:現在,無人ヘリコプタの用途は拡大しており,航空写真の撮影や農薬散布,危険地帯の偵察など,我々の社会において大いに活躍している. しかし固定翼機に比べて,その操縦は非常に困難である. その原因の一つとして,飛行中に操縦者と機体の視覚的な相対位置が大きく変化してしまうことが挙げられる. そこでこの問題を解決するために本研究では,没入型遠隔操縦システムを提案する.

L2: 山口研,進行係: 奥田剛

0051019  小川 功   砂原秀樹,山口英(代行:門林雄基)
発表題目:キーワードの意味を考慮した文書スコアリング
発表概要:近年、Googleなどのリンク分析型の検索システムが注目を集めているが、これらのシステムでは、キーワードが文書中のテキスト及びアンカーに完全一致する場合しか検索結果を得ることができない。そこで、本研究では、キーワードの意味を考慮し、キーワードに対して柔軟なスコアリング手法を提案する。
0051021  小野田哲也  砂原秀樹,山口英(代行:門林雄基)
発表題目:DiffServにおけるドメイン間帯域予約の高速化
発表概要:パケット転送処理において、優先度、保証帯域等の差別化を行なうことによりQuality of Service(QoS)を保証する枠組みであるDifferentiated Services(DiffServ)において、実際にQoS保証を実現する為にはあるサービスクラスに流入するトラフィック量を適切に制御する必要がある。DiffSe rvではこれを実現する為にBandwidth Broker(BB)により帯域管理を行なう。また、ドメインをまたがるトラフィックに対し、ドメイン間で帯域を割り当てるには各ドメインのBB間の連携が必要である。ドメイン間帯域予約方式として、Peer to Peer方式が提案されているが、経路上の全てのドメインのBB間でシグナリングを行なうため、帯域予約が完了するまでの遅延が大きいこと、およびシグナリングによるBBの負荷が大きいという問題点がある。本研究では、あらかじめ必要帯域以上の帯域を適切に確保しておくことによってドメイン間帯域予約の高速化およびBBの負荷低減を実現する方式を提案する。
0051078  西村敦隆   砂原秀樹,山口英(代行:門林雄基)
発表題目:ネットワーク遅延を考慮したWWWサーバベンチマークシステムの構築
発表概要:WWWによるさまざまなサービスが提供されるにつれ,大規模なWWWサーバの安定運用が重要となる.大規模なWWWサーバの安定運用にはサーバシステムの性能上限を知ることが重要であり,その調査にはベンチマークシステムを用いることが一般的である.しかし,現在のベンチマークシステムはLAN環境で実験するため,実環境におけるネットワーク遅延が考慮されていない.そのためベンチマークシステムの結果が実環境を反映しないことがある.そこで,実際のネットワークに近い実験環境を実現するため,複数のサーバ・クライアント間のコネクション毎に異なる遅延時間を挿入したベンチマークシステムを提案,実装する.
0051091  藤井邦浩   砂原秀樹,山口英(代行:門林雄基)
発表題目:Peer-to-Peerネットワークにおいてグループの連携を導入した検索手法の提案
発表概要: Peer-to-PeerネットワークはPeerであるノードがメッセージの中継を行って いる.そのため,ノード数が増加するとメッセージの中継回数も増加し、目的 のノードの発見が困難となる.そこで,類似する情報を持つノードを募ってグ ループを形成し,グループ内でのみメッセージを中継する事でメッセージの中 継回数を削減し検索効率を向上させる手法が提案され実装されている.しかし, 類似するグループが多数発生したり,グループ内に関連の無い情報を持つノード が加わるため目的とするグループやノードの検索が困難になる.本研究では, 各関連するグループ間での情報共有を実現し、またノードの貢献頻度に着目 することで最適なグループの再構成を行い,検索効率を向上させる手法を提案する.また従来手法との比較評 価を行う.

L3: 関研,進行係: 高田喜朗

0051048  神野元彰   藤原秀雄,関浩之,井上美智子
発表題目:ホールドレジスタを含む内部平衡構造
発表概要:これまで,組合せテスト生成複雑度でテスト生成可能な順序回路のクラスとして,平衡構造や内部平衡構造が提案されている.このうち,平衡構造に関する定義ではレジスタとしてホールドレジスタを考慮していたが,内部平衡構造に関してはホールドレジスタを考慮していなかった.本研究では,組合せテスト生成複雑度でテスト生成可能なホールドレジスタを含む内部平衡構造順序回路を提案する.ホールドレジスタを含む内部平衡構造順序回路は,組合せテスト生成複雑度でテスト生成可能なすでに提案されている二つの順序回路のクラスを真に含む,より大きいクラスとなる.本研究ではさらに,提案する内部平衡構造順序回路の計算量に基づく組合せテスト生成複雑度に関しても考察する.
0051052  高柳英晃   山本平一,関浩之,岡田実
発表題目:空間内挿型ダイバーシチアンテナによるOFDM受信機の高速フェージング変動補償効果
発表概要:OFDM (Orthogonal Frequency Division Multiplexing)は周波数選択性フェージング伝搬路において,広帯域ディジタル伝送を可能にする方式である.しかし,移動体が高速移動することで生じる伝搬路の高速時変動による伝送特性劣化が大きな問題となる.すでに直線アレーアンテナを用いて大地に対して静止した地点における受信信号を空間内挿して推定することにより,高速フェージングによる伝搬路の時変動を補償する方式を提案している.本研究では,この方式を拡張し,ドップラー変動補償と空間ダイバーシチ受信を同時に行う方式を提案し,その効果を計算機シミュレーションにより明らかにする.さらに,本方式においてサブキャリアのシンボル間における位相差を利用することで,相互結合量,移動速度の推定を行う方式を提案する。
0051041  小山晃俊   山本平一,関浩之,岡田実
発表題目:地上波ディジタル放送における中継器での回り込み波除去に関する研究
発表概要:地上波ディジタル放送においてはOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式が用いられるが, この方式は周波数利用効率が高く, マルチパス耐性に優れているという点から, SFN(Single Frequency Network)による放送波中継の実現が期待される. しかしSFNでは, 中継局での送受信周波数が同一であることから, 送信側から受信側への廻り込みによって発振が生じ, 特性が劣化するという問題がある. 本研究では, 中継器での回り込みによる発振がどの程度の特性に影響を及ぼすのか調べ, ディジタル信号における廻り込み波キャンセラシステムを提案する.
0051201  岡本良子   山本平一,関浩之, 岡田実
発表題目:<題目> 分散基地局における非線形干渉除去による伝送特性改善効果
発表概要:<概要> サービスエリア内で同一周波数帯域を用いることで周波数利用効率の向上を図る分散基地局システムが提案されている。分散基地局は複数の基地局をRadio-on-Fiberリンクにより制御局に接続し、制御局では基地局からの受信信号を全て用いた復調処理を行なうものである。これまで分散基地局の干渉除去方式としてはMMSE(Minimum Mean Square Error)を用いた方法が検討されている。しかしMMSEではマルチパスフェージング環境においてダイバーシチ利得が十分に得られないという問題があった。そこで本報告では、取り出した各ユーザの信号から干渉信号の複製を生成し、受信信号から差し引くことによって干渉を抑圧し信号を再判定する、非線形な干渉除去方式の適用を提案する。

S1/S2: 渡邉研,進行係: 中西正樹, 堀山貴史?(渡邉研で調節をお願い致します)

0051007  岩垣 剛   藤原秀雄,渡邉勝正,井上美智子
発表題目:不連続再収斂構造に基づく部分拡張スキャン設計法
発表概要:近年の半導体技術の進歩により、VLSI (Very Large Scale Integration) の動作速度は目覚しく向上している。このような高速に動作する回路に対して、パス遅延故障のテストを行うことは重要である。一般に、順序回路のパス遅延故障に対するテスト生成は困難であるため、テスト容易化設計が必要となる。そこで、本研究では、テスト生成が容易な順序回路の構造として、不連続再収斂構造を定義し、不連続再収斂構造に基づく部分拡張スキャン設計法を提案する。
0051016  大谷浩平   藤原秀雄,渡邉勝正,井上美智子
発表題目:単一縮退故障のテスト生成アルゴリズムを利用したパス遅延故障に対するテスト生成法
発表概要:LSIの高速化に伴い,タイミング故障モデルの1つであるパス遅延故障のテストを行うことが必要不可欠となっている.しかし,組合せ回路であってもパス遅延故障のテスト生成は,従来から広く用いられている故障モデルである単一縮退故障のテスト生成と比較して難しい.組合せ回路の単一縮退故障に対しては,効率の良いテスト生成アルゴリズムがあるので,本研究では単一縮退故障のテスト生成アルゴリズムを用いてパス遅延故障に対してテスト生成を行う方法を提案する.この方法により,パス遅延故障に対する全てのノンロバストテストを生成できることを示す.
0051014  大島麻紀子  松本裕治,渡邉勝正
発表題目: 文脈理解における文の接続関係と語彙的結束性の相関関係の解析
発表概要: 人間は文章を理解できるが、コンピュータには理解することは難しい。   自然言語技術において、文脈理解の仕組みを解析することは課題の一つ である。
  本研究では、文章を対象とし、修士論文では、とくに文間の接続関係と   語彙的結束性の相関関係を解析する。
0051204  森川 聡   松本裕治,渡邉勝正
発表題目:日本語の練習問題自動生成システム 「おさる」
発表概要:語学教師が頭を悩ましている問題の一つに、学習者に合った問題集の不足があげられる。学習者は理想的にはそれぞれの持っている興味・日本語の習熟度・母国語などに応じた問題集で学習することが望ましい。しかし、現実的にはそういう問題集はなかなかない。そこで、学習者に合った日本語の練習問題を自動生成するシステム"おさる"を開発することにした。日本語教師は"おさる"を使い生徒に合わせた問題集を容易に製作することが可能になる。 本発表では、そのシステムの構成、問題自動生成の流れ、進捗状況について説明する。