ゼミナール発表

日時: 12/4(火)2限


会場: L2

司会: 金谷助手

0151071 戸邊 論 情報科学センター 砂原秀樹
発表題目:インターネットを利用したGNSS誤差補正に関する報告
発表概要:近年、インターネットに接続可能な移動端末の普及により、その測位 技術に関心が高まっている。屋外における移動体の測位においては、 GNSS(Global Navigation Satellite System)を用いるのが一般的であり、その測位精 度を向上させるべく、無線およびインターネットにより誤差の補正情報を配送するシステムが開発されてきている。 本発表では、従来の補正情報配送システムの概要と問題点について述べ、次にそれを解決するものとして提案された、独自のプロトコルによる補正情報配送システムを紹介する。また、このシステムが既存技術に柔軟に対応する設計であることを示した上で、今後の課題について検討する。
0151072 長井 則和 情報ネットワーク 山本平一
発表題目:DFT前合成空間内挿ダイバーシチによるOFDM高速移動受信時フェージング補償
発表概要:地上波ディジタル放送で用いられる伝送方式 OFDM (Orthogonal Frequency Division Multiplexing) は、 遅延波による周波数選択性フェージングに強い一方、 高速移動受信時のドップラによる周波数シフトに弱く、 OFDM受信時の大きな問題となっている。 ドップラによる周波数シフトを補償する技術として、直線アレイアンテナを用いた 「空間内挿ダイバーシチ」という手法が提案されているが、 この手法には、計算量が多いという問題点があった。 そこで本研究では、 「DFT前合成ダイバーシチ」という手法を「空間内挿ダイバーシチ」に適用した 新たな手法を提案し、計算機シミュレーションによりその有効性を示す。
0151073 中井 秀郎 システム制御・管理 西谷紘一
発表題目:ロボットの作業計画および軌道計画に適した汎用ハイブリッドシステムモデル
発表概要:ある作業をロボットなどにさせる場合において、作業計画・軌道計画を自動的 に生成するような制御システムについて考える。このようなシステムとしては、群知能等の様々な方法が知られているが、ロボットに実行させたい問題の定式化などは、それぞれの場合に応じて考えられており、軌道計画(連続事象)と作業計画(離散事象)を統一的に扱うようにはできていなかった。
 そこで、本研究では、連続事象と離散事象を組み合わせたハイブリッドシステムとして作業対象・ロボット・作業目標をモデリングする手法の開発を目指す。具体的には、モデルの提案、およびそのモデルのwell-definedness条件の検討の後、汎用シミュレータの構築を行うことが目標である。また、複数台のロボットが作業を行う場合に対して、マルチエージェントとして分散処理をさせる場合に適した、モデリング法に関しても検討したい。 本発表では、従来提案されているハイブリッドシステムの表現能力について述べ、それらに不足しているものが何であるかを考察し、どのようなハイブリッドシステムモデルが適しているかどうかについて検討する。
0151074 中島 竜也 情報ネットワーク 山本平一
発表題目:マルチホップ無線ネットワークにおける干渉除去の適用による周波数利用効率の向上
発表概要:マルチホップ無線ネットワークでは、複数のノードを中継して同一の情報が同一周波数で再送されるため、周波数利用効率が低下する。しかし、中継において既に送信した情報を用いることにより、中継される信号による干渉を除去できると考えられる。本発表では、このアイデアを基に、マルチホップ無線ネットワークにおいて問題となる中継による周波数利用効率の低下を低減する新しい方式を提案し、今後の予定を述べる。
0151075 中島 淑貴 言語科学 鹿野清宏
発表題目:Ultrasound Measurements of Tongue Dorsum Movements in Articulatory Speech Impairments
発表概要:上記文献紹介です。
0151076 長沼 譲 システム制御・管理 西谷紘一
発表題目:双腕ロボットにおける摩擦ダイナミクスに対する適応制御
発表概要:本研究室ではロボットハンドと把持物体の点接触による転がりを 考慮した操り制御について研究している。 しかし、転がりを伴う場合は微妙な力の違いが転がり量に直ちに反映してしまうので、 実機への適用の際には 摩擦などのモデル化誤差のため、滑らかな制御が困難なことが多い。 本研究では、この問題に対し適応制御を用い、 モデルを構成する物理パラメータ、特に摩擦のパラメータを推定していくことで、 より安定な制御を実現することを目標とする。 発表では先行研究の概要と問題点を示し、 各種の摩擦モデルの紹介および、 それらに対する適応制御の考え方について述べる。

会場: L3

司会: 川波助手

0151077 中野 鉄矢 計算機アーキテクチャ 湊小太郎
発表題目:光ピンセットと力覚デバイスを用いた生体機能計測システムの構築
発表概要:光ピンセット技術は,集光したレーザーにより微小物体を捕捉し,自由に操作することのできる技術であり,非接触・非破壊であるため生体分子の計測において有用である.本研究では,光ピンセット技術による操作をハプティックデバイス(力覚提示装置)を用いて実現することにより,視覚的・触覚的に生体分子や細胞を体感し計測するシステムを提案するとともに,その構築を目指す.本発表では,提案するシステムの概要と今後の研究計画について述べる.
0151078 中村 岳志 情報基礎学 関浩之
発表題目:<題目>ユーザインタフェース開発のための代数的仕様コンパイラ
発表概要:<概要> 近年,ソフトウェアシステムにおけるユーザインタフェース(UI)部分の比重 が高まっており,UI設計のための方法論の確立が重要となっている. 形式的手法に基づくソフトウェア設計は,高品質のソフトウェアを効率よく 構築するための方法のひとつとして挙げられる. 発表者らの研究グループでは,代表的な形式的仕様記述法である代数的仕様 記述を用いたUI設計法について研究している. この仕様記述法では,抽象的ウィンドウシステム(AWS)モデルに基づいて設 計対象をモデル化し,代数的仕様の部分クラスである抽象的順序機械の形で仕 様を記述する(ASM仕様). 本発表では,この仕様記述法について説明するとともに,発表者が開発の一 部を担当した,ASM仕様をJavaプログラムに変換するコンパイラについて述べる.
0151079 西山 尚志 計算機言語学 山口英
発表題目:Open Access networkの不正利用防止に関する考察
近年、計算機の小型化とネットワークの普及にともない、情報コンセントや無線LANといったネットワーク接続点を、会議室や公共スペースで提供する組織が増加している。 このような接続点をもつネットワーク(Open Access Network)は、その性質上、利用者が不特定多数になる傾向にあり、盗聴や成りすましといった不正利用への対応が必要不可欠である。 しかし、利用者の利便性等の問題から、現状では十分な対策がなされているとはいえない。 本研究では、VPN(Virtual Private Network)を応用することにより、 利用者の利便性を損なうことなく、不正利用を防ぐことができる手法を提案する。 さらに、関連研究と本提案との比較および検討を行い、今後の研究方針について述べる。
0151080 二ノ方 一生 情報科学センター 砂原秀樹
発表題目:<題目>FECとARQを用いたビデオストリーミングの品質改善
発表概要:<概要>ビデオ会議や動画中継などリアルタイム性を要する大容量データの 配信における信頼性やサービス品質に対する要求が高まっている. 本研究では データの誤り制御方式として, 誤り訂正方式であるFEC(Forward Error Correction) と誤り検出方式であるARQ(Automatic Repeat reQuest)の 異なる二方式を, ネットワークやマシンの処理能力に応じて動的に切替えることで 転送データのリアルタイム性や転送効率を意識しながら高いエラーの回復率の実現を 可能にすることを目指す.
0151081 櫨山 寛章 計算機言語学 山口英
発表題目:IPトレースバック研究の動向
発表概要:今、インターネットを利用した攻撃はその脅威を増し、発生回数も増加している。それらの攻撃への対策のひとつとして、攻撃の発生源を特定する追跡手法の研究が活発になってきている。本発表では、インターネット上での追跡技術であるIPトレースバックの研究動向を紹介し、提案されている手法の比較、問題点の指摘を行い、今後の研究方針について述べる。
0151107 村松 孝彦 論理生命学 石井信
発表題目:<題目>生物学データベースの問題点と知識表現
発表概要:<概要>近年、生物学データベースは量・種類ともに指数関数的なスピー ドで増加してきている。「膜タンパク質データの収集と構造分類」と作業や日頃生物学 データベースを利用することで様々な問題点が浮かび上がってきた。 特に、本発表で扱うPDB(Protein Data Bank)は、主要なデータベースでありなが ら、 比較的整備が遅れているものである。よって、生物学データベースのもつ 問題点が顕著にあらわれている例であると考えられる。 本発表では主にPDBの問題点について考察するとともに、この分野における 今後の研究課題について考えていく。