ゼミナール発表

日時: 11/14(水)3限


会場: L2

司会: 安室助手

0151010 伊東 良樹 システム制御・管理 西谷紘一
発表題目:H∞ 制御を用いた遠隔制御における遅延の補償方式
発表概要:制御対象とコントローラが離れてネットワーク越しに制御する場合、伝送遅延が一定しないことが問題となる。 本研究室ではこの問題に対して、μ設計法・BMIによるゲインスケジューリング・多段型ディジタル再設計などに基づく方法などを適用し研究してきた。 多段型ディジタル再設計に基づく方法は、ごく簡単なMAフィルタによって遅れを補償するものであり、非常に簡単に用いることができる。 また、この方法はパケット損失に関してもある程度対応可能であることが特長である。 しかしこの方法はノイズ、特に観測ノイズに弱いということが知られている。 そこで本発表ではノイズに対応するために、フィルタの係数を代表的なロバスト制御手法であるH∞制御の考えを用いて決定する枠組みを示す。
0151012 岩間 博哉 ロボティックス 小笠原司
発表題目:偏差のある路面形状に対する二足歩行ロボットの開発
発表概要:人間の生活環境において、床面が幾何学的平面であることは少なく、多くの場合、多少の起伏が存在している。そこでロボットが人間と同環境で行動するためには、床面の起伏に対しても安定な歩行を実現する必要がある。本発表では、衝撃緩衝機構と路面検知機構を備えた足底機構を搭載し、未知傾斜路面を安定歩行するロボットWL-12RVIIを紹介し、今後の研究方針について述べる。
0151013 岩見 洋平 音情報処理学 鹿野清宏
発表題目:声質変換技術を用いた感情音声合成手法
発表概要:対話システムの発展に伴い、システムとユーザの円滑なコミュニケーションを実現するため合成音声に感情や意図を付与することが求められている。感情には韻律の付与が大きいといわれているが、最近の研究では、声質の影響もあると言われている。本発表では感情音声合成の従来手法の説明と、その問題点の解決策として、声質変換技術をもちいて、感情音声を合成する手法を述べる。
0151014 内山 哲夫 情報論理学 藤原秀雄
発表題目:論文紹介(Mehrdad Nourani,Christos Papachristou ,"An ILP Formulation to Optimize Test Access Mechanism in System-on-Chip Testing", International Test Conference,2000)
発表概要:半導体集積技術の進歩により,システムを 1 つの LSI 上に実装可能に なった(システムオンチップ、SoC )。コアベース SoC 設計に おいては,コアと呼ばれる機能ブロックの単位で設計を行う。コアベース SoC のテストでは、テストパターンは各コアに対して提供されるの で、SoC に埋め込まれたコアに対してテストパターンを印加し、その応答を観測する ためのテストアクセス機構が必要となる.本発表では、バスとブリッジを用いたモデル でのコアベース SoC のテストアクセス方式とブリッジを最適化するための方法 を紹介する。
0151015 梅野 淳史 言語科学 松本裕治
発表題目:文献紹介〜障害者がTTSを利用するために、簡易にテキストを入力できる方式の検討
発表概要:障害者がTTSを用いて音声合成を行うときに問題となる、テキストの入力について発表を行う。先行研究として、今回紹介する論文は、Iain R. Murray 等による今夏のユーロスピーチでの発表論文、"Writing script-based dialogues for AAC"  について報告する。彼等の研究の成果は、人工知能分野において提案された、スクリプトによる自然言語理解[Schank 1977]を用いて、簡易な入力システムを設計から実装まで行ったことである。その成果と問題点について発表したい。
0151016 後田 成文 音情報処理学 鹿野清宏
発表題目:<題目>音場再現システムにおける環境変化に常時適応可能な逆フィルタの緩和手法の検討
発表概要:<概要> ラウドスピーカを用いた音場再現を行う上で、逆フィルタ設計は欠かせない。最小ノルム解を利用した従来の逆フィルタ設計では、室内における音の伝達特性が変化すると暗騒音や回線ノイズなどが拡大されてしまう。この問題の解決策として観測信号から逆フィルタを再推定する手法が提案されているが、この手法では無音区間が無ければフィルタを更新することはできない。そこで常時再現音を観測しフィルタ更新できるアルゴリズムを構築することを目指す。本発表では室内伝達特性の変動によるノイズ拡大を示し、今後の研究方針について述べる。

会場: L3

司会: 片山助手

0151017 江田 毅晴 マルチメディア統合システム 植村俊亮
発表題目:論文紹介(Joseph M. Hellerstein,Jeffrey F. Naughton,Avi Pfeffer "Generalized Search Trees for Database Systems" Technicao Report#1274,University of Wisconsin at Madison,July 1995.)
発表概要:大量のデータに高速にアクセスするためには索引をつくるといい。シー ケンシャルなデータや空間オブジェクトに対しては、B+-treeや、R-treeが最も よく用いられているが、これらのバランスドツリーの索引構造からエッセンスを 抜き出し、一つのフレームワークとしてまとめたものがG(eneral)i(zed) S(earch) T(ree)である。今回の発表では、GiSTによって得られるものを示し、 自分の研究テーマであるXMLへの応用について考察したい。
0151018 衛藤 将史 計算機言語学 山口英
発表題目:Mobile IPにおけるセキュリティ技術の提案
発表概要:Ubiquitous Networkingといった言葉に代表されるように、異なる地域、異なる通信媒体を経由しながらもユーザにはその違いを意識させずに透過的なインターネットへのアクセスを提供するといったサービスへの要請が高まっている。しかし、現段階ではその条件を満たすモバイル通信プロトコルは標準化されていないのが実情である。本発表では現在標準化団体にて策定中のプロトコルMobile IPに焦点を絞りセキュリティの観点からの論文を紹介し、今後の研究に対するアプローチを述べる。
0151019 江藤 誠彦 ソフトウェア基礎 横矢直和
発表題目:文献紹介(Ying-li Tian, Takeo Kanade, and Jeffrey F.Cohn "Recognizing Upper Face Action Units for Facial Expression Analysis" Computer Vision and Pattern Recognition,2000)
発表概要:顔の表情を分析するためにFACS(Facial Action coding System)とよばれる表情記述方式における顔面表情筋の運動単位AU(action unit)を用いることが多い。本発表では、顔のイメージシークエンスから1つのAUまたはAUの組み合わせを高い割合で認識するシステムについての論文を紹介し、今後の研究との関連を述べる。
0151020 大久保 淳郎 システム基礎 杉本謙二
発表題目:動的フィードバックを用いたサーボ系の2自由度設計
発表概要:一般の制御系設計において,過渡応答特性とロバスト特性を同時に仕様に盛り込むことは困難である.そこで,本研究では部分極配置によるロバスト制御系設計を提案する.主要極の配置によって過渡応答特性を決め,残りの自由度によってロバスト性を確保する.また,そのコントローラを動的なものに拡張し,より系統的な設計を可能にすると同時に,フィードフォワードを併用した2自由度構成でサーボ系を構成する.
0151021 大杉 直樹 ソフトウェア計画構成学 松本健一
発表題目:ソフトウェア利用知識の共有を目的とした協調フィルタリングWWWサイトの構築
発表概要:今日,ワープロソフト等の一般ユーザ向けパッケージソフトウェアは,様々な用途・ユーザを想定しているため非常に多機能である.その反面,機能が多すぎることでユーザが有用な機能を探し出すことが難しいという問題がある.この問題を解決するため,協調フィルタリングの考え方を応用し,似通った機能を使用しているユーザ間でソフトウェアの利用知識を共有する方法を研究する.ユーザが使用している機能の履歴を収集し,それに基づいたユーザ間の類似度計算と収集した情報に対するスコアリングの方法を提案する.提案した方法をWWWベースのシステムとして実装し,評価を行う.
0151022 大野 康法 音情報処理学 鹿野清宏
発表題目:高精度英語音響モデルを用いた英語学習支援システム
発表概要:今日の日本において英語教育は重要なものとなり、その中でも発音やイントネーションといった英会話教育の重要性が指摘されている。特に近年の音声情報処理技術の発達により、計算機を利用した語学学習支援システムが注目されている。英語音声を評定する場合、音韻的特徴としては、1:音韻性の適切さ、2:単語中の強勢音節の位置、及び生成された強勢・弱勢の音響的適切さ、3:文(句)の音響的適切さ、などが挙げられる。これまでの研究では音韻や単語レベルでの評価はされていたが、3のような文レベルの複雑な評価には、大量のデータベースと高精度な認識システムにより誤りを指摘し正解を教示する事が学習支援システムに求められる。そのため本研究では高精度英語音響モデルの作成と、それを用いた英語学習支援システムの構築を行う。