ゼミナール講演

日時平成 13年 4月 26日(木)4限(15:10 -- 16:40)
場所L1
講演者杉浦 忠男
所属 大阪大学大学院工学研究科 助手
講演題目 レーザートラッピングと近接場光学 −生命機能解明のためのツールとして−
概要
バイオテクノロジーの分野では、生命機能解明のための新しいツールや計測器が開発 されることで研究が加速し、これまで分からなかったことが解明されている。本講演 では光を用いた最新技術に注目し、顕微鏡下の生体細胞を光の力で捕まえ自由に操作 する技術であるレーザートラッピングと、光の波動性による分解能限界を越えてさら に微細な構造を顕微観察可能にする近接場光学を取り上げる。レーザートラッピング では、レーザー光を対物レンズで集光して対象物に照射するだけで力をはたらかせて 操作することが可能で、非接触に細胞や細胞内小器官を操作することできる。この技 術を用いた生体計測システムでは、一分子のタンパク質同士が相互作用することで発 生する力をも測定可能である。一方近接場光学では、微小な光の場を作り出すことで 光の回折限界を超えた分解能を持つ顕微鏡を実現したり、生体試料の微小領域を計測 して分光情報を得ることができる。これらの最新技術について概説するとともに、こ れらの技術を組み合わせることでさらにどのようなシステムが構築でき、どのような 新しいことが実現できるか議論する。

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平成13年度ゼミナール担当:門林 雄基, 笠原 正治, 伊藤 実