ゼミナール発表

日時: 10/16(月)4限


L1 藤原研 (進行責任教官:井上助手,大竹助手)

9951026 尾辻崇 渡邉勝正 藤原秀雄 木村晋二
発表題目:高位合成における実数の語長最適化について
発表概要:近年、半導体製造技術の進歩により回路規模の向上が進む一方、半導体の製 品サイクルは短期化し、設計期間の短縮が求められている。そこで、これまでより抽象度の高い「動作記述」で回路を設計し「RT記述」を自動合成する、高位合成に関する研究が盛んである。 本発表では、高位合成のうち、C言語で書かれた動作記述からRTレベルのHDL記述 を自動合成する際の、実数型変数に割り当てる語長の推定手法について提案する。
9951127 横畠正大 福田晃 藤原秀雄
発表題目:可変構造シミュレーションシステムRiSPの機能拡張
発表概要:LSI技術の進歩の結果,従来ソフトウェアで行われていた処理を,ハードウェアレベルで実現可能となっている.本研究では,その応用の一つとして,シミュレータのハードウェア化の一手法を提案すると共に,提案手法を実現するための可変構造シミュレーションシステムRiSPの構築を行っている.旧システムでは単純なシミュレーションモデルにのみ対応していた.そこで,このシステムをより複雑なシミュレーションモデルに対応できるよう,システムの各部分を見直し機能拡張を行った.この機能拡張により,待ち行列モデルにおいて頻繁に用いられる,複数のキュー・サーバ間の選択に対応した条件分岐をハードウェア化することを目的としている.
9951003 伊加田恵志 関浩之 渡邉勝正 楫勇一 ★
発表題目:スタック検査機能を持つプログラムのセキュリティ検証法
発表概要: プログラム実行時に制御スタックを検査することで アクセス制御を行うようなプログラム言語がある. このようなプログラムが与えられたとき, どのような実行に対しても, ある望ましい性質(検証条件)が成り立つかどうかを保証できることが望ましい. 本研究では, このような検証問題に対する検証法として 形式言語を用いた手法を提案する.
本手法では, プログラムのトレース集合がインデックス言語となることを示し, その系として検証問題が決定可能となることを示す. また, Jensenらの提案した手法の拡張となることを示す.
9951074 寺井淳裕 井上克郎 渡邉勝正 飯田元 松本健一 ★
発表題目:プログラムの並べ替え問題による協調学習
発表概要:従来のプログラミング教育ではグループに課題を与え、役割分担をすることで協調学習の効果を狙ったものが多い。しかし、一部の学習者に負担が集中し、残りの学習者の技術向上に役立たない場合がある。そこで、本研究では、学習者がソースコードの並べ替え問題を解き、お互いの解答を評価し合うという協調学習の方法を提案する。すなわち、誤りを指摘したり、指摘を受けたりすることが、プログラミング技術の向上に役立つと考え、並べ替え問題を利用してこれを支援する環境とその有効性を検証する実験について説明する。

L2 小笠原研 (進行責任教官:松本助手)

9951007 市川徹 横矢直和 小笠原司 竹村治雄
発表題目:高解像度全方位画像センサを用いたイベント検出
発表概要:近年, 室内環境をビデオカメラなどの画像センサで撮影し, その画像から環境内の状況を分析するサーベイランスシステムに対する要求が高まっている. このとき広範囲の環境を常に監視するために全方位の情景を一度に取得できる全方位画像センサを用いたシステムが提案されている. しかし, 一般に全方位画像センサは1台のカメラで周囲360度の情景を取得するため, その分解能は十分とは言えず, 使用目的が主に監視環境下での動物体検出や位置推定に限られた. そこで、本研究では, 高解像度で撮像可能な全方位画像センサを用いて分解能の高い全方位画像を取得し, 環境内で起こるイベントを検出する手法を提案する.
9951075 寺沢征彦 横矢直和 小笠原司 竹村治雄
発表題目:3台の全方位画像センサを使った重なり判定による人物追跡
発表概要:近年, 遠隔地の監視システムに対する要求が高まってきている. 環境を広範囲に監視するために全方位画像センサを使った方法が考えられる. 監視システムにおいて注目人物の位置を知ることは重要な要素である. しかしセンサの画像から人物方向を導出し三角測量に基づいて位置推定を行なうと, 推定結果が不安定になる場合がある. そこで本研究では, 全方位画像センサを3台使い, 各センサから見える各人物の方位角の範囲を調べ, センサ間において方位角範囲の重なりによって対応関係を判定し人物の位置を領域として推定するロバストな手法を提案する.
9951130 米田美里 横矢直和 小笠原司 竹村治雄
発表題目:移動ロボットの遠隔操作のための全方位画像提示手法
発表概要:移動ロボットに搭載された全方位画像センサにより撮影される全方位動画像から,任意視線方向の両眼ステレオ動画像を生成する手法が提案されている.この手法では,生成されるステレオ動画像には時間遅れがあるなど,実際の移動ロボットの遠隔操作のための画像提示システムとして用いるには制約が多い.このため,移動時には時間遅れのない任意視線方向の単眼動画像を,ロボットが静止した場合には任意視線方向のステレオ画像を提示する画像提示手法を提案する.

L3 杉本研 (進行責任教官:佐藤助手)

9951076 寺田雅一 西谷紘一 杉本謙二 山下裕
発表題目:Hamilton-Jacobi偏微分方程式の粘性解を用いた宇宙ロボットの最適制御
発表概要:宇宙ロボットは人工衛星にアームをつけたような形をしたロボットで、 アームの振り運動で姿勢の制御ができる。宇宙ロボットの利用目的としては、 宇宙ステーションでの船外活動があげられる。本研究の目的は、宇宙ロボットの 姿勢を任意の状態から任意の状態へもっていくことである。宇宙ロボットは非 ホロノミックシステムであるため、なめらかな時不変状態フィードバック則では 平衡点への漸近安定化ができないことが知られている。そこで本研究では、 時不変不連続フィードバック則を構成し、Hamilton-Jacobi偏微分方程式の粘性解 を用いた最適制御手法で制御する。また、シミュレーションで本手法の検証を行なう。
9951112 村上航 西谷紘一 杉本謙二 山下裕
発表題目:遅延のある通進路を用いた遠隔制御
発表概要:工場や化学プラント等大型の対象の制御を行うためには、コントローラから遠く離れたセンサやアクテュエータとのデータのやりとりが必要となる。現場では近年、フィールドバスとよばれるディジタル回線を通じて通信が行われている。ディジタル通信では順序処理を行うという性格上、必ずデータの遅延が発生する。このように遅延を伴う経路を用いて遠隔制御を行うときの、遅延を保証する方法を提案する。
9951122 山川匡史 西谷紘一 杉本謙二 山下裕
発表題目:脳波を用いた思考状態モニタリングシステム
発表概要:プラント運転システムにおけるオペレーターの負担を減少させるために、心理・思考状態をシステムが認識することが重要である。本研究は、脳波から人間の心理・思考状態をリアルタイムにモニタリングするシステムの開発を目的とする。 今回は、このための思考状態推定手法の提案と検証、およびリアルタイムモニタリングにおける懸案事項とその考察・対処法について説明する。
9951115 森下貞治 西谷紘一 杉本謙二 山下裕
発表題目:自己組織化マップを用いた不均一系共沸蒸留塔の異常状態予測
発表概要:不均一系共沸蒸留塔は設備が複雑にならないという面から工業的な応用例は数多いが、その特性、挙動の理解が難しいシステムのひとつである。したがってこのシステムが正常状態にあっても、この先異常状態に向かうかどうかの判断は難しい。しかしエネルギーや原料消費、安全性の問題からも異常状態予測は重要と考えられる。そこで本研究では教師無しニューラルネットワーク手法の一つであるSOM(Self-Organizing Maps;自己組織化マップ)を利用した不均一系共沸蒸留塔の異常状態予測法を提案し、その有効性を検証してみる。

S1/S2 千原研 (進行責任教官:黒田助手)

9951032 河合裕文 横矢直和 千原國宏 竹村治雄
発表題目:<題目>弾性体表現におけるバネモデルの疎密表現による計算量削減手法
発表概要:<概要>弾性体記述方法としてバネモデルがあげられる.バネモデルによる挙動表現は,形状変形だけでなく位相変形にも実時間で対応が可能である.ただし,よりリアルな挙動表現を行うためには,多くの質点及びバネのネットワークを用いて弾性体を構成する必要がある.しかし,それらの増加は計算量の増加につながり,結果として実時間での挙動表現が困難となる.そこで本研究では,バネモデルの動的な疎密表現による計算量削減手法を提案し,その妥当性について検証する.
9951049 佐藤智和 横矢直和 千原國宏 竹村治雄
発表題目:透視投影モデルを仮定した単眼動画像からの三次元復元
発表概要:動画像からの三次元復元は,物体認識,ロボット・ナビゲーション,複合現実感等,様々な分野への応用が可能である.そのため,因子分解法に代表されるような単眼動画像から推定されたオプティカルフローを用いた三次元復元の研究が盛んに行われているが,広範囲を短時間で精度良く復元する手法は確立されていない. そこで本稿では,入力として単眼動画像を用い,初期フレームにおいて三次元位置関係が既知の複数個の基準マーカを利用することで三次元復元を行う手法を提案する.また,透視投影モデルを仮定し,線形解法を用いることで高速に広範囲の復元を行う.
9951080 中北賢二 横矢直和 千原國宏 竹村治雄
発表題目:共有仮想環境における協調作業のためのビデオアバタ提示
発表概要:近年, 没入型ディスプレイ装置が多く開発され, 複数 の装置間で共有された仮想環境内において協調作業を行なうことが注目されて いる. その際, 広大な仮想環境内で自分や相手の位置を把握することが重要な 課題となり, それを解決する手法としてビデオアバタを用いる位置把握手法が ある. 協調作業に伴う視点移動や物体操作は, ジョイスティッ クやマウスなどのデバイスによるアバタ操作で実現される. そのため, 利用者 にとって自分や相手の位置の把握が直観的でないという問題がある.そこで本 稿では, 複数台の首振りカメラで撮影した画像から実環境における利用者の位 置を推定し, 対応する仮想環境内の位置に利用者をビデオアバタとして相手に 提示する手法を提案する.
9951117 森本龍太郎 横矢直和 千原國宏 竹村治雄
発表題目:没入型自然景観モデラ
発表概要:自然景観の3次元CGの利用が高まり, 効率の良いモデリング手法が要求されている. そこで, 本研究では没入型の自然山岳景観のモデリング環境を提案する. 本環境では, 2次元的な操作と3次元的な操作を組み合わせることで, 地形作成の作業において効率の高い操作性を提供する.