ゼミナール発表

日時: 10/10(火)4限


L1 山口研 (進行責任教官:飯田助手)

9951002 蟻川浩 湊小太郎 山口英 砂原秀樹
発表題目:グローバルコンピューティングに適したJava実行環境の研究
発表概要: プログラミング言語Javaは、 プラットホームを選ぶことなく実行可能な特徴を持っている。 この仕組みに着目することで、 グローバルコンピューティング環境の構築が実現可能である。 しかし、Javaはプログラムの処理速度がC,Fortranに比べて遅いため、 グローバルコンピューティング環境を構築する上でボトルネックとなっている。 Javaの高速化手法として有名なものとして、 JIT(Just-In-Time) Compilerがある。 これは、Javaのバイトコードを部分的にプロセッサのネイティブコードに変換し、 実行する仕組みである。現在、様々な特徴を持つJIT Compierがあり、 これによってプログラムの実行速度の高速化を図ることができる。
さて、プログラムを繰り返し実行することを想定した場合、 従来のJIT Compierでは、ネイティブコードは常に同じものを出力するため、 ネイティブコード生成コストの面で無駄が生じている。 この問題点に着目し、 ネイティブコードを有効利用する仕組みをJIT Compilerに付加することで、 更に高速化が実現できると思われる。
本研究では、 JIT Compilerによって生成されるネイティブコードを有効利用する仕組みを提案し、 プログラムの繰り返し実行に対しても有効なJava実行環境の構築について述べる。
9951060 征矢野史等 湊小太郎 山口英 今井正和 砂原秀樹
発表題目:インターネットを利用した非同期型遠隔養育におけるコンテンツ作成手法モデルの提案
発表概要:昨今、教育分野では地理的・時間的問題の解決や講義の保存などといった観点から非同期型遠隔教育の需要が高まっている。しかしながら、非同期型遠隔教育のコンテンツ生成は既存の技術を組合せてアドホックに行なわれており、サポートするスタッフの労力は甚大である。そこで本研究ではスタッフの労力を極力軽減しつつ高品質なコンテンツを効率的に生成できるシステムを構築することを目標とする。今回の発表では授業や講義などのアーカイブの作成に必要な資料の切り替わりというイベントを自動記録することでスタッフの労力を軽減するシステムを提案し実装方法とその評価について触れる。また、今後の方針について述べる。
9951085 中山貴夫 湊小太郎 山口英 砂原秀樹
発表題目:WWWサーバの状態観測および通知システムの提案と実装
発表概要: インターネット上のトラヒックの大部分をWWWが占めるようになってきている. この原因として多種多様なシステムのインターネットへの接続性が用意になっ た事や株取り引き,チケット予約サービスの充実によるものが考えられる.ま た,大規模なイベントWWWで中継することが行われるようになった事も要因に 挙げられる.
こうしてWWWサービスの普及とそのサービス内容の充実に伴い,WWWサーバ管理者 にとってサービス品質を維持するためにサーバのメンテナンスが重要な項目となっ てきている.
安定したサービスを提供するためにはサーバの管理指標を設け,それにしたがっ て管理,運営する必要があると考えられる.しかしこれまで,管理手法に関し て一般的な指標定まっておらずサーバ管理者は勘と経験に頼って管理している.
そこで本研究ではサーバを監視しその状態を把握するとともにアクセス数の増大 や機器の故障などによりサーバの機能が低下したことやそれに対する処置を管理 者に通知することでサーバ管理,メンテナンスを補助するシステムの開発を目指 す.
9951109 村石恵 湊小太郎 山口英 砂原秀樹
発表題目:ベンチマークを用いたWWWサーバの自動パラメータ・チューニングシステムの提案
発表概要:Internetの普及により、WWWへのアクセスが増加しWWWサーバの負荷 が増大している。高負荷時にサービスレベルを維持するためには、WWWサーバ のパフォーマンス・チューニングを行なうことが重要である。しかし、WWWサー バのパフォーマンスに関係する要因は複数あり、さらに要因同士が相関関係に ある。よって、サーバ管理者にとってパフォーマンス・チューニングは非常に 難しい問題である。これまで、パフォーマンス・チューニングはサーバ管理者 の直観と経験を頼りに行なわれてきた。本研究では、パフォーマンス・チュー ニングを行なうサーバ管理者を支援するために、ベンチマークを用いたWWWサー バの自動パラメータ・チューニングシステムを提案する。

L2 山本研 (進行責任教官:知念助手)

9951113 毛上卓也 山口英 山本平一 砂原秀樹
発表題目:M/TCP の提案と実装
発表概要:1対多通信を行うためのマルチキャスト技術に通信の信頼性を与えるため、M/TCP(Multicast TCP)を提案する。特徴として TCP 互換の設計となっているためアプリケーションのマルチキャスト化が容易である。下位層に XCAST(eXplicit multiCAST) の1つである SIM(Sender Initiated Multicast) を想定している。今回の発表では M/TCP の設計と実装の内容について発表する。
9951052 島田秀輝 福田晃 山本平一
発表題目:移動計算機から位置依存情報を提供するサービスアプリケーションの構築
発表概要:近年,移動計算機の高性能化に伴い,移動計算機から情報を発信するシステ ムが提案されている. また,移動計算機は固定の計算機と違い,簡単に持ち運べるので,多くの移動計算機 が多くの場所に移動し,そこで情報を収集できるようになった. さらに,それらの場所からネットワークに接続できるので,収集した情報をリア ルタイムでい つでも発信することも可能である. しかし,移動計算機を場所で指定する方法がなかったので,ある場所の情報を その近辺にいる移動計算機から得ようとしても,それができなかった. GPSやPHSを用いて場所の同定ができるので,これらを用いて移動計算機の位置 を管理できる. 位置情報と通信プロトコルを指定する方法を提案し,その機能を既に開発して いる``移動計算機からの情報発信ToolKit''に組み込んだシステムを提案する. また,本システム上においてサービスアプリケーションの具体例を示す.
9951114 森重孝 福田晃 山本平一
発表題目:複数の通信メディアを利用した階層型データの効率的な転送方式の評価
発表概要:現在、移動計算機は主に携帯電話などの双方向通信メディアを用いて通信している。一方、新たな通信媒体としてディジタル放送が注目されている。そこで、これまで一つの通信媒体を用いて行っていた通信を、放送と双方向通信を併用して通信する方式を提案している。しかしながら、その評価は十分にされておらず、実際の環境での有効性には疑問が持たれている。そこでその有効性を確認するために、より現実に近い実験環境において評価を行った。その結果と今後について発表する。

L3 木戸出研 (進行責任教官:久米助手)

9951034 川村俊也 鹿野清宏 木戸出正継 猿渡洋
発表題目:空間音響情報を利用した高速収束アルゴリズムに基づくブラインドビームフォーマ
発表概要:複数の音が存在する状況で,特定の音のみに集中することは,我々が日常よく経験する.その混在状況で観測された信号のみから音源を同定する技術をBlind Source Separation(BSS)といい,独立成分分析(Independent Component Analysis: ICA)の観点から音源を分離する手法が多く検討されている.本技術により,高精度なHands-free通信や雑音にロバストな音声認識の実現が期待できる.本発表では,ICAと死角制御型ビームフォーミング間において射影反復学習を行う高速収束アルゴリズムを提案し,分離実験にて提案法の有効性を評価する.
9951088 西村竜一 鹿野清宏 木戸出正継 猿渡洋
発表題目:音声インターフェイスを持つWebブラウザ向け言語モデルの検討
発表概要:言語モデルは,大語彙連続音声認識の重要な構成要素であり,N-gram言語モデルと呼ばれる統計モデルがよく利用される.このモデルの作成には,大量のテキストコーパスが必要であり,以前は新聞データを用いることが多かった.しかし,現在作成中の音声インターフェイスを持つWebブラウザでは,Webページの更新による新しい単語やユーザの興味に応じた単語も認識できなくてはならない.そこでWebのアクセス履歴を用いた言語モデルの自動更新システムを検討している.本発表では,システムを作成する上での問題点や実装方法について述べる.
9951125 山田実一 鹿野清宏 木戸出正継 猿渡洋
発表題目: 充足統計量を用いた話者適応とHMM合成法を用いた環境適応における音響モデルの構築
発表概要: 音声認識を行なう上で、必要な音響モデルの話者適応と環境適応を行なう。話者適応においては、音響モデルの学習を行ないその充足統計量を話者ごとに保存しておき、発声話者に近い特徴を持つ統計量を使ってモデルの再学習を行なう。環境適応においてはあらかじめ用意された音響モデルと発声環境から作られたモデルの合成を行なうことでその環境の音響モデルを構築する。今回は話者適応した音響モデルの評価および環境適応したモデルの評価を行ない、今後の課題を述べる。

S1/S2 鹿野研 (進行責任教官:李助手)

9951071 谷口雄一郎 木戸出正継 鹿野清宏 河野恭之
発表題目:目的遂行対話における話者の条件緩和を考慮した対話管理手法に関す る研究
発表概要:対話研究における対話の分類の1つに,話者が対話を通してなんらか のゴール の達成を目指す目的遂行型対話がある.この目的遂行型対話において,話者が 初期の目的を達成できなかった場合,話者は条件をさまざまに緩和,妥協し試 行を繰り返すことで,初期の目的に近いゴールの達成をめざす.このとき聞き 手は,話者の条件緩和,妥協の内容と過去に提示された条件から次に試行する 条件を推測することで効率的な目的達成に協力する.対話システムにおいても 同様に,的確な条件推定を導入することで対話量の軽減が期待できる.本研究 では,このような条件推定を実現する音声対話システムを対象とした対話管理 手法を構築する.
9951089 西森崇 木戸出正継 鹿野清宏 河野恭之
発表題目:話者どうしの意図のギャップをうめる複数人対話モデルのための対話分析
発表概要:複数人がある目的を持って話し合い決定する状況では、各人の意図にギャップが生じ、その妥協点を見つける必要がでてくる。そこで、対話の中で各人の意図を読み取り、話し合いをまとめる支援をするシステムの対話モデルの提案を計画している。今回は、その対話モデルを考えるにあたり、複数話者とシステム役による対話例の分析を行い、話者どうしの対話にシステムがいつどのように介入するかを考察し、今後の研究につなげるものとする。
9951031 紙弘和 小笠原司 鹿野清宏 今井正和
発表題目:天井画像列を用いた屋内ナビゲーション
発表概要:オフィス等の屋内環境では周囲の人や太陽光の影響により環境の見え方が大きく変動する。今回の発表では、そのような環境においてロボットナビゲーションを実現するために開発した天井画像を用いるナビゲーション手法と今後の方針について述べる。