システム神経生物学スプリングスクール SNSS 2006
分子から行動に至る脳神経系メカニズムのシステム的理解
- スクールの主旨:
分子から行動に至る全体像をシステムとして理解することによって脳神経系の理解が可能と
なります。そのためには神経系に関わる機能素子を体系的に調べるボトムアップ的アプロー
チと、システムを理論的に理解しようとするトップダウン的アプローチとの融合が必要です。こ
の新しい分野の発展のために情報科学、基礎生物学、応用物理学の分野縦断的かつ最先
端研究に基づく教育プログラムを通じて、「システム神経生物学」に関わる研究者・高度専門
技術者を育成する必要があります。本スクールはこの主旨の下、国際的な講師陣により、3
日間の合宿形式の集中型教育を提供致します。
- 時期:2006年3月16日〜18日
- 場所:アイ・アイ・ランド(大阪府四條畷市)
- 参加人数:21人
(奈良先端大7人、他大学14人:うち2人は4月より奈良先端大に入学)
- 内容:
実験と理論両面にわたる国内外の国際的な講師(国外5名、国内1名)を招き、システム神経生物学のスクールを合宿形式で行った。今回は、細胞骨格の数理モデルが専門である研究者や、神経及び神経回路の発生を専門とする研究者に講義を行って頂いた。シナプス可塑や軸索伸長ではない神経機能の一面に触れることができた。夜間の部では、参加者に任意でポスター発表を行ってもらい、参加者同士、参加者と講師の間で、様々な交流が行われた。参加者のほとんどは大学院の学生であり、リピータ、つまり昨年の参加者が何人かいたことは嬉しい限りである。
- 招聘講師及び講義タイトル:
- George Augustine (Duke University) : Dendritic signal transduction underlying cerebellar long-term synaptic depression
- Michael Hausser (University College London) : Dendritic integration in mammalian neurons
- Yasunori Hayashi (Massachusetts Institute of Technology) : Visualizing molecular mechanisms underlying synaptic plasticity
- Alex Mogilner (University of California, Davis) : Recent quantitative models of protrusion of crawling cells
- Hitoshi Okamoto (RIKEN Brain Science Institute) : Zebrafish as a Model System to Study Neural Circuit Development
- Hongjun Song (Johns Hopkins University School of Medicine) : Molecular mechanisms regulating adult mammalian neurogenesis