システム神経生物学スプリングスクール SNSS 2005
分子から行動に至る脳神経系メカニズムのシステム的理解
- スクールの主旨:
分子から行動に至る全体像をシステムとして理解することによって脳神経系の理解が可能と
なります。そのためには神経系に関わる機能素子を体系的に調べるボトムアップ的アプロー
チと、システムを理論的に理解しようとするトップダウン的アプローチとの融合が必要です。こ
の新しい分野の発展のために情報科学、基礎生物学、応用物理学の分野縦断的かつ最先
端研究に基づく教育プログラムを通じて、「システム神経生物学」に関わる研究者・高度専門
技術者を育成する必要があります。本スクールはこの主旨の下、国際的な講師陣により、3
日間の合宿形式の集中型教育を提供致します。
- 時期:2005年3月5日〜7日
- 場所:アイ・アイ・ランド(大阪府四條畷市)
- 参加人数:24人
(奈良先端大11人、他大学13人)
- 内容:
実験と理論両面にわたる国内外の国際的な講師(国外3名、国内3名)を招き、システム
神経生物学のスクールを合宿形式で行った。シナプス可塑性や神経発達の実験に関する
講義に加え、今回は理論方面の講義も充実したものとなった。参加者には、参考文献に
よる事前の予習を課したため、短期間ではあるが内容の濃い充実したスクールとなった。
また、参加者には、スクール期間中にグループで仮想研究を立ち上げることも課してお
り、その結果、異分野の参加者による深い交流が生まれたようである。参加者のほとん
どは大学院の学生であり、今回は理論系の学生が多く(実験系1/3、理論系2/3;昨年は
実験系2/3、理論系1/3)、システム神経生物学の広がりを実感するものである。
- 招聘講師及び講義タイトル:
- James Ferrell (Stanford University) : Dissecting the cell cycle oscillator
- Bai Lu (National Institutes of Health) : BDNF and Hippocampal Synaptic Plasticity
- Kyonsoo Hong (New York University School of Medicine) : Calcium signaling in growth
cone induced by diffusible guidance molecules
- 黒田 真也(東京大学) : Distinc Dynamics of transient and sustained ERK activation
- 小島 正己(産業技術総合研究所) : Multiple modulations of neuronal functions by
brain-derived neurotrophic factor (BDNF)
- 上口 裕之(理化学研究所) : Molecular mechanisms of neurite growth: Co-ordinated
roles of the cytoskeleton, cell adhesion molecules, and membrane microenvironment