セキュアソフトウェアシステム研究室(国立研究開発法人産業技術総合研究所)

IoTやAIが社会に深く浸透し使われる時代、その安全の基盤となるソフトウェアの安全性や信頼性を深く掘り下げます。

教員

  • 教授:大岩 寛

    教授:
    大岩 寛

  • 准教授:AFFELDT Reynald

    准教授:
    AFFELDT Reynald

研究を始めるのに必要な知識・能力

  • 大学卒業程度のしっかりした論理学やプログラミングの知識と洞察力。
  • コンピュータやソフトウェアの動く仕組みについての理解と興味。
  • コンピュータ・セキュリティについての基本的な知識。

研究室の指導方針

まず、それぞれの志向する研究テーマに応じて、必要な情報科学の基礎知識を身につけていただきます。たとえば安全性担保技術については、プログラミング言語理論や形式手法に必要な数学的素養などがそれに当たります。また、計算機アーキテクチャや数理論理学等も、分野によっては知識が必要になります。
 下記、研究内容で例示する内容以外でも、ソフトウェアの信頼性・安全性の向上につながるような内容であれば、可能な限り学生の自主的な取り組みを重視します。学位論文のテーマ決定に際しては、相談にはのりますが、最終的には自ら決めていただきます。

この研究で身につく能力

選んだ研究テーマにもよりますが、研究で必要となるソフトウェアや計算機システムに対する洞察力と分析力は、実際の社会で計算機システムを正しく動かすために必須な能力として、特にIoTやAIなど、まだ誰も導入していない新しい要素を含み、誰も正しいやり方が分からないシステムを構築する現場で、いわゆるシステムアーキテクトとして活かしていただくことを強く期待しています。また、特に論理検証の分野は国際的な研究が熱い領域でもあり、アカデミアを目指す人は、実際のシステムと最先端の理論を繋ぐ実学を行える人材になることを期待して、研究指導を行っていきます。

修了生の活躍の場

実社会志向: ソフトウェアアーキテクト・セキュリティエンジニア
研究者志向: 大学・研究所や企業での研究者

研究内容

IoTや組込み技術の発展により、計算機ソフトウェアがいわゆる汎用コンピュータだけでなく、自動車、航空機、家電製品、医療機器、工場設備など我々の生活や生命の安全性に直結する機器に組み込まれて使われるようになってきた現代において、システム全体の信頼性を確保することは、きわめて重要な産業上の要請になってきています。また、ソフトウェアの規模が拡大し、複数のシステムが有機的に通信・連携する時代において、利用者がソフトウェアを「見て」安全性を直接確認することが出来ない以上、工学的な手法でシステマチックに安全なソフトウェアを構築し、さらにその安全性を他人にきちんと説明する根拠立てを作ることが、重要になってきています。本研究室では、ソフトウェアを含むIoTシステムの安全性の担保に必要な技術を研究開発し、産業としての安全なソフトウェア構築手段の体系化を目指します。

IoTや組込みシステム全体の安全性を担保するための技術

  • システム全体を俯瞰したソフトウェアセキュリティアーキテクチャ
  • IoTサービスのためのセキュリティアーキテクチャ・基盤システム
  • IoT基盤におけるソフトウェアの信頼性担保のための技術

ソフトウェアの安全性を担保・説明するための基盤技術

  • ソフトウェア安全性を論理的に検証する技術(形式検証)
  • ソフトウェアの正しさを網羅検査する技術(モデル検査)
  • 形式的手法に基づくプログラムテスト
  • その他、プログラムの意味や安全性を議論するための基礎理論・基盤技術

    ・プログラムの仕様記述法、数理的技法、形式技法、仕様記述論
    ・プログラミング言語の理論と実装
    ・プログラム開発工程の追跡技術

研究環境

本研究室は連携研究室ですので、産業技術総合研究所(情報技術研究部門)で研究指導を行います。2年目はつくばセンター(茨城県つくば市)での活動を基本としますが、研究テーマによっては関西センター(大阪府池田市)や臨海副都心センター(東京都江東区)に在籍する研究者も含めて、その分野のエキスパートの支援を受け、より高度な研究を実現することを目指します。テーマによっては、研究所で進めている産官学連携活動に参加し、企業との共同研究を体験する機会もあります。
優秀な学生に対して、特に博士課程においては、研究所においてRAとして勤務し、具体的な研究業務に有給で携わりながら学位取得を目指す途があります。