シンビオティックシステム研究室(日本電気株式会社)

脳科学の成果をヒントにした、ヒトにもやさしく実用的な新しい人工知能の研究開発

教員

  • 教授:田谷 紀彦

    教授:田谷 紀彦

研究を始めるのに必要な知識・能力

以下の領域のバックグラウンドを複数持つことが望ましい。

  • 機械学習やニューラルネットワークを用いた実験やプログラミング経験
  • 認知科学、臨床心理学、人間工学(インターフェース開発)のいずれかの領域での研究経験
  • データベース、ネットワーク、数理工学のいずれかの領域での研究経験

研究室の指導方針

本研究室で取り組んでいるプロジェクトのメンバーとして参加していただきます。その中で自ら積極的にテーマを見出し、常に具体的な場面を想定して社会に役立つ技術を考え、最終的には開発まで成し遂げる機会を提供し、サポートします。研究室は少人数ですが、外部の研究者とのコラボレーションによるチーム活動となるので、積極性と協調性を重視します。

この研究で身につく能力

情報科学、工学、認知科学、脳科学にまたがる研究ですので、勉強することは非常に広範囲ですが、学際的な取り組みを通じて、新たな境界領域を開拓する能力の獲得を期待しています。また、幅広い知識の獲得に加え、異分野の研究者とのコラボレーションによる研究スタイルですので、専門外の研究者とのコミュニケーション能力やマネジメント能力の獲得を期待しています。

修了生の活躍の場

大学、研究機関、企業(電機、通信、ソフトウェア開発、機械ほか)

研究内容

 本連携研究室は、2016年度より大阪府吹田市の大阪大学キャンパス内のNECブレインインスパイヤードコンピューティング協働研究所に設置します。本研究室は、人と共生する情報システムの特性を検討し、人の意図など知的活動を理解する技術、さらにその知的活動を支援する技術に関し、教育と研究を行うことを趣旨に開設されました。これまで、本研究室では、人と人との共生、人と社会との共生(シンビオシス)の実現を目指す研究や教育に取り組んで来ました。
 2016年度からは、引き続き「シンビオシスの実現」という理念の下、新たに、人・社会・環境の共生・調和を実現するために、環境適応力や省エネ性に優れた、次世代のIoTインフラを支える新たなコンピューティングシステム(Brain-Inspired Computing System)の実現を目指す研究をスタートしました。
 Brain-Inspiredとは、「脳に学ぶ」「脳に倣う」という意味です。近年、AIやビッグデータ処理技術は急速な進化を遂げています。しかし、人間も含めた生物は、柔軟性、臨機応変な環境適応性、学習、類推、連想という能力面で、いまのコンピューティング技術を凌駕する部分が多々あります。また、人間の場合、脳は通常20Wh前後の電力しか消費しません。このように、コンピューティング研究が脳に学ぶべき点は、能力やエネルギー消費という面だけ見ても多く、脳に学ぶことで全く新しいコンピューティングを生み出すチャンスがあると私たちは考えています。
 また、高齢化、労働人口減少という課題に直面する社会において、共生するコンピューティングには、人にやさしく、人をサポートし、人が扱いやすいことが求められます。システムとして考えれば、人の状態や行動特性を勘案したデザインも重要なポイントですし、「まったくのブラックボックスで、なにを考えているかわからない」システムでは困ります。こうした観点から、本研究室では、脳科学ほか様々な関連研究領域と融合した学際的な取り組みで新しいコンピューティングの研究開発に取り組んでいます。

主な研究分野
  • プログラミングモデル
  • 計算アルゴリズム
  • 計算機アーキテクチャ
  • ヒューマンファクター
  • 生物行動モデル
  • インタラクティブな協調・共創モデル

以下は研究テーマの例です。

マルチセンサ人間行動計測

オープンラボでの全ての知的活動や屋外での活動を記録。創造活動を促進した人、モノ、情報との接触を抽出することで、創造に関わる因果関係を分析する。また、ひらめきを含む知的活動を支援システムや新たなコミュニケーション・システムを探索する。

マルチセンサ人間行動計測

知的行動分析技術

大量に蓄積された知的行動情報から、行動の癖やノウハウなどの暗黙知を自動抽出する。また、健康状態などの本人も気がつかない異常を検出する。