ヒューマンウェア工学研究室(パナソニック株式会社)

少子高齢化社会へむけた人間と機器の協調を目指す

教員

  • 教授:井上 剛

    教授:
    井上 剛

E-mail { ozawa.jun, inoue.tsuyoshi001 }[at] jp.panasonic.com

研究室概要

本研究室は、パナソニック株式会社・先端研究本部との産学連携で運営される教育連携研究室です。本研究室での研究を希望する方は、親元研究室との連携の下、京阪奈学研都市の光台地区にあるパナソニック株式会社の研究所において研究活動を行うことになります。

ヒューマンウエア(Humanware)とは、人間的な知能情報処理、メディア情報処理、柔軟なロボティクス/メカトロニクスを目指すという思いをこめた造語で、「情報の受容・発信の本質は人にある」という考えを基本にしています。従来の情報通信技術は、数学を基礎に、コンピュータ機器・通信機器を研究開発の対象としてきました。しかし、本来、これらの機器を使用する人間を含めた全体的なシステムや仕組みの研究開発が必要です。本研究室では、人間のセンシング技術を中心とした新しいヒューマン・マシンインタフェースの実現を目指した研究に取り組んでいます。

主な研究分野

主な研究分野としては以下のような、ヒューマンセンシングに基づいてユーザの意図や動きを理解する研究を行っています。

眼球運動のセンシングに基づく注視点距離推定技術

眼球運動のセンシングに基づいて注視点距離を推定する技術を研究しています[1]。眼球運動のセンシングには、眼電位や眼球撮影画像を用います。この技術により、例えば自動遠近両用メガネにおいて、レンズの焦点を手動ではなく、見ただけで切り替えることが可能となります。

自動遠近両用メガネと眼球グラスのプロトタイプ

自動遠近両用メガネと眼球グラスのプロトタイプ

前腕センシングに基づくジェスチャ認識技術

手首の筋電位を計測することで手の形や動き(ジェスチャ)を認識する技術[2]や、前腕の筋電位を計測することで、手首の関節角度を推定する技術を研究しています[3]。手首に装着したリストバンドを用いて離れた位置にある家電機器を操作したり、ロボットハンドで手と同じ動きを実現することができます。

ジェスチャ認識を用いた家電操作とロボットハンド制御

ジェスチャ認識を用いた家電操作とロボットハンド制御

下肢センシングに基づく起立動作予測技術

筋電位の計測結果を用いた下肢筋肉の活動に基づいて、起立動作を予測する技術を研究しています[4]。スムーズな起立動作支援を行うためには、臀部が座面より離れる(離座)前から支援を開始する必要があります。さらに、起立動作以外の動作に対して頑健である必要もあります。ユーザの起立動作に合わせた自然で安全な支援装置の実現を目指しています。

起立動作における下肢の筋活動と起立動作支援装置のプロトタイプ

起立動作における下肢の筋活動と
起立動作支援装置のプロトタイプ

  • [1] T. Inoue, S. Bounyong, Y. O. Kato, J. Ozawa: Fixation distance estimation using vergence eye movement for automatic focusing glasses; Proceedings of the 35th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society (EMBC2013), pp. 4674-4677 (2013).
  • [2] 井上 剛, 本山 裕之, 小澤 順: リストバンド型ウェアラブルセンサを用いた家電機器のジェスチャ操作; ヒューマンインタフェースシンポジウム2015論文集, pp. 95-98 (2015).
  • [3] H. Motoyama, T. Inoue, J. Ozawa: Estimation of Wrist A ngle Using EMG and Hand Movement Direction; Proceedings of the 2016 IEEE International Conference on Consumer Electronics (ICCE2016), pp. 265-266 (2016).
  • [4] T. Inoue, Y. Kato, J. Ozawa: Prediction Sit-to-Stand Movement Using Trunk Angle and Lower Limb EMG for Assist System; Proceedings of the 2017 IEEE International Conference on Consumer Electronics (ICCE2017), pp. 134-135 (2017).